突然ねこになった俺

にーにゃ

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「うにゃ、ふにゃあ
(ううん、ふわああ)」


んーっと伸びをして辺りを見渡した。


「リュン、起きたか?
おはよう」


ベルが着替えながら挨拶をしてきた。


「にゃ(おはよう)」


うん
ベルだ
そして俺もねこのままだ
はあー

内心ため息をついた。

いや、別に日本に戻りたいとは思わないけど、せめて人の姿に戻ってればなあと思ったりもしなくはない
まあ、ねこの姿の方が何かと都合がいいのか?

自分の体を見て、そう思った。


「リュン?」


ベルが不思議そうに俺の名前を呼んだので、首を振り、なんでもないことを伝えた。


「にゃう(ちょっとボーッとしてただけ)」


「それならいいが」


そう言って、俺を抱き上げて肩に乗せた。


「ワウ(リュンヌ、おはよう)」


「にゃ(アンバー、おはよう)」


部屋の扉の前にいたアンバーと挨拶を交わし、部屋を出た。

夜に比べて太陽の光があたっているからか、少し明るく何処に何があるのかはっきりと見えるようになった。

案外この宿は結構大きいらしい
ざっと見ただけでも部屋数が多く、3階まであるのか上に続く階段があった。

それにしても、さっきからずっと変な臭いがする
汗の臭いかな?
トイレとかないだろうし、風呂もないって言ってたもんなあ
ベルの肩に乗っているから、ベルの匂いに包まれていてそれほど気にならないけど、アンバーは大丈夫なのか?

チラッとベルの隣で歩いているアンバーを見た。
何も感じないかのように歩いていた。


「ワウ(なんだ?リュンヌ)」


俺がアンバーを見ていたのが分かったのか、俺の方を見て尋ねてきた。


「にゃう(アンバーは平気なのか?)」


「ワウ?ウォン
(何がだ?
・・ああ、ここの臭いのことか
俺は風魔法を使っているから平気だ)」


「にゃにゃあ
(あ、そうなんだ
風魔法ってそんな事も出来るんだ)」


いいなあ
そう言えば、ねこの姿になってもステータスって同じなのかな?
でも、ネルかダルクが雷魔法だけって言ってたような・・?


「ああ、すまないリュン
これでどうだ?」


ひゅーと俺の近くで小さな風が来たと思ったら、臭いがしなくなった。


「にゃ(これって風魔法?)」


「ああ、これで臭くはないだろ?」


「にゃにゃあ
(うん、ありがとう
うわあ、ここって食堂?)」


視界に入ってきたのはそれほど人はいないけど、色んな人?がいて、皆ご飯を食べたり話したりしていた。


「ああ、食堂だ
だいたいはここで朝食を食べ、出掛けることが多いな」


「にゃ(そうなんだ)」


雑にだがテーブルと椅子が並べてあり、ダルクみたいに鱗の肌がある竜人族がいたり、色んな獣の耳や尻尾がある人たちもいた。


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