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しおりを挟むベルは迷わず厨房が見えるようになっているカウンターに向かった。
「バング!」
「おう、ベルンにアンバー
おはよう」
「ベルンさん、アンバーちゃん、おはよう」
「おはよう、バング、エリダーナ」
「今日はどうするんだ?」
「ああ、ここで食べる
それと報告したいことがあってな
新しく仲間になったリュンヌだ
よろしく頼む」
ベルは俺を撫でながらバングとエリダーナに紹介した。
「おう、見ねー顔がいるなと思ったぜ
リュンヌな、俺はこの宿タレアの主でバングだ
よろしく」
「リュンヌちゃん
あたしはバングの妻で、エリダーナよ
よろしくね」
「にゃあ(よろしくお願いします)」
俺の祖父や祖母と同じ年代かなと思い、思わずペコリと頭を下げた。
「おうおう、いいこじゃねーか
だが、堂々としてろ
いつ何があるかわからねーからな」
「そうね、あたしたちに頭を下げてはいけないわ
リュンヌちゃんは可愛いから心配だねえ」
2人は心配そうに忠告した。
「にゃ(あ、うん)」
「これから慣れていけばいい」
ベルは少し落ち込んでいた俺を苦笑いしながら撫でた。
「ところで、ダーグとリンナはいないのか?」
「ああ、ダーグなら裏で食材を取りに行っている」
「リンナはそこよ
冒険者の子と話しているわ」
エリダーナは1番奥のテーブルを指差して教えてくれた。
「そうか
なら先に食事にしよう」
「おうよ
適当に座って待っとけ」
「ああ」
ベルは厨房から近いテーブルに行き、椅子に座った。
「にゃあ(バングもエリダーナもいい人だな)」
「ああ、2人の子どものダーグとリンナもいい子だ
リュンと年も近いと思うぞ」
「にゃ(そうなんだ)」
どんな子達なんだろ
そんな事を思っていると、パタパタと走る音がした。
バンッ
「ベルンさん!
おはようございます!」
女の子が走ってこっちに来るなーっと思っていたら、突然テーブルに勢いよく手をついて、元気よくベルに挨拶をした。
「ああ、おはよう、リンナ」
こ、この子がリンナちゃん・・・
凄く元気がいいな
ベルとアンバーはリンナちゃんの勢いに慣れている感じで全然動じなかったけど、俺は少し引きぎみでリンナちゃんを見た。
「こら、リンナ
あんたはいつもいつも!
もう少しおとなしくならないのかい!?
まったく」
俺らの料理を運んできたエリダーナがリンナちゃんを怒った。
「だあってー
ベルンさんに確実に会えるのは朝しかないんだもの」
「まったく
リュンヌちゃん、驚いたでしょ?
ごめんなさいねえ」
「リュンヌちゃん?」
「ああ、俺の仲間になったリュンヌだ」
ベルは俺を撫でながらリンナちゃんに紹介した。
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