突然ねこになった俺

にーにゃ

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「にゃー(大体は一緒って・・・)」


精霊界じゃ俺のレベルが最大だったから、水狼を出せたしアンバーを追いかけることも出来たけどさあ
今の俺って絶対に初期レベルじゃん
チートだと思ったのになあ
はあー


「ウォン
(何をいじけているのか知らないが、さっさとしろ)」


「にゃー(はーい)」


うだうだ考えるのはアンバーに怒られるからやめて、取り敢えず雷のボールを思い浮かべて魔力を込めた。

ねこだから手は使えないので、アンバーと同じように鼻先に集中させた。

パチッ、パチッっと時々音をたてながら、野球ボール程の大きさの雷のボールが出来た。


「にゃっ(出来たっ)」


「ワフウォン
(いいぞ
それをあのトゥリーランプに向かって放ってみろ)」


アンバーは遠くにいるトゥリーランプの正面に向くように方向を変えた。


すげー簡単に言うけど
そんな簡単に出来るわけないじゃん!


「んん、んにゃにゃっ
(うんん、ううぉりゃっ)」


雷のボールを投げるイメージで魔力を練った。

ひゅるるーポスッ
音にするならこんな感じで数メートルもいかないくらいで落ちて消えた。


「にゃ(あ)」


「ワフ(くくくっ)」


アンバーの爆笑に腹が立って、ポスポスと全力で背中を叩いた。

それでもアンバーには痛くも痒くもない様子で笑い続けるので、思いっきり魔力を込めて雷のボールを作った。

意地でも当ててやる!
きっとイメージが足りなかったんだ
もっと新幹線みたいに・・・


「うにゃっ!(おりゃっ!)」


ビュンッ

バチバチバチッ

そんな音をたててトゥリーランプが倒れた様に見えた。

俺はポカーンっと呆然としていたが、


「ワウ(やるじゃないか、リュンヌ)」


「リュン、凄いぞ!
もう、魔法の使い方を覚えたのか!?」


ベルが近寄ってきていたトゥリーランプを素早く倒して駆け寄ってきた。


「にゃ(うん、出来たみたい)」


結構投げ遣り気味だったけど、上手くいったみたいだ
あれかな?
新幹線を意識したからかな


「ウォンウォン
(遠距離の攻撃はこれで大丈夫だな
後は近距離の戦い方を教えよう)」


「そうだな
それと、これを食べておけ」


ベルは鞄から苺みたいな形で苺より何倍もデカくて緑っぽい色のものを出した。


「にゃう?(何それ?)」


「これはマールックという食べ物だ
マールックには魔力が宿っていて、これを食べると魔力が少量だが回復する」


「にゃー(すげーそんなのあるんだ)」


「ああ
リュンの今の魔力量なら一口か二口位で十分回復するするだろう」


「にゃふ(あーでも美味しい?)」


薬みたいな味とかだったら嫌だなあ


「ああ、甘くて少し酸味があるが美味しいぞ」




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