突然ねこになった俺

にーにゃ

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ベルがトゥリーランプを斬ったときに何かが付いたのか、剣を振り払って鞘に納め、何かを拾って近づいてきた。


「にゃう?(ベル、何を拾ったんだ?)」


「これは先程のトゥリーランプの核であるファルムだ
これは素材になるが、浄化しないと使えない」


「にゃう?(何で浄化しないと使えないんだ?)」


「ウォン
(それは精霊界で読んだ本に書いてあっただろ?)」


「・・・にゃ?(・・・負の気のこと?)」


「ワウウォン
(ああ、そうだ
魔物には皆、核があるが、その核が負の気によって濁り、各人族を襲っている)」


「核を浄化しないまま使用もしくは所有していると、その者に何かしらの悪い影響を与えている
だから、核は必ず冒険者ギルドや教会に納付しなければならない
これは、冒険者ギルドの規律や国の規律にもなっていて、浄化しないまま核を所有していると罰を与えられる」


「にゃ・・・(そうなんだ・・・)」


悪い影響ってどうなるんだろ?
気になるけど、聞きたくない・・・
でも国の規律になっているくらいだから、想像以上に酷いんだろうな

ベルの手の中にあるファルムを覗き込んだ。

緑色と黒色?って言っていいのか?

黒色よりもっとどす黒い感じの色と緑色が混ざってマーブルになっていた。

そっと手を伸ばして触ろうとしたら、ベルがファルムを握ってしまった。


「リュン、ファルムは直接触ってはいけない
少しでも直接触れると負の気が体内に入り、体調が崩しやすくなったりする」


「にゃ!(えっ!ベルは大丈夫なのか!?)」


さっきからずっと手に持ってるけど!


「ああ、俺は浄化魔法を使えるからな
あまり影響はない」


そう言って、ベルの手が淡く光ったと思ったら手を開いてファルムを見せてくれた。


「ほら、これがトゥリーランプの素材だ
浄化したから触れてもいいぞ」


ベルの手の平にあるファルムは浄化されてどす黒い色がなくなり、綺麗な緑色の石があった。


「にゃー(おー、さっきと全然違う)」


ツンツンと手で緑色の石を触ってみた。

見た目通りツルツルで固い


「ワウ(ベル)」


「ああ
リュン、俺の戦いを見て大体は分かったか?」


「にゃ(うん)」


「そうか
では次はリュンにトゥリーランプを倒してもらうが、先にアンバーから雷魔法の使い方を教えてもらうように」


そう言って、ベルは近くまで来ていたトゥリーランプを討伐しに行った。


「ウォン
(ベルンはリュンヌが人族だった時に俺が魔法の使い方を教えたと言ってねーからなー)」


「にゃあ?(やっぱり俺って雷魔法しか使えないのか?)」


「ワフウォン
(ああ、そうみたいだな
まあ、魔法の使い方は大体は同じだから試してみろ)」



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