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しおりを挟むズキッと心が痛くなった。
俺は元は人間でも、いつ人に戻れるかわからない
人になれるかもわからない
ベルもいつか結婚して、誰かと一緒になるんだ
マラーキーと・・・
マラーキーとベルが隣に並んでいる姿を思い出して、またモヤモヤした。
何でこんなに、、
それから少し気まずく感じながらも、バングからご飯をもらい、森に出た。
バングはベルに言われたのか、ベルがいなくてもご飯を用意してくれ、お昼のご飯まで持たせてくれた。
森に行くまでの道中、アンバーがベルから貰ったマールックや布に包んだご飯、その他色々を風魔法で浮かせて歩いているので、昨日よりよりいっそう注目を浴びた。
魔物と戦いながら、ベルとマラーキーの事について考えた。
もし2人が恋人同士になったら、これからも今日みたいにベルと一緒にいれない日が続くってことだよな
嫌だな
マラーキー、早くどっかに行ってくれないかな
モヤモヤ、グルグルと考えながら魔物を倒していった。
時々アンバーに怒られたりして門が閉まる時間まで過ごした。
それから俺の願いとは裏腹にベルがいない日が何日も続いた。
アンバーは俺が日に日に元気をなくしている姿を見て心配してくれたのか、今日はレベル上げは休みにして、ネルのところに行くことにした。
ベルはネルに知らせてあったのか、俺らが冒険者ギルドに入ってすぐにリリスにネルの所まで案内された。
「アンバーちゃん、リュンヌちゃん、お久しぶりね
ベルンちゃんから聞いて来てくれるのをずっと待っていたのよ」
ネルは苦笑いをしながら迎え入れてくれた。
「にゃー(ネル、久しぶり)」
アンバーの背中から下りて何となくネルの側に寄った。
「あらあら、リュンヌちゃん、相当参っているわね」
俺の声に覇気がないことに気がついたのかしゃがみこんで俺の体を優しく撫でてくれた。
ネルなら俺のこの気持ち、わかるかな
「にゃあ(ネル、相談したいことがあるんだけど)」
「ん?どうしたの?
あっ、少し待っていてね
'アルナイト'」
ネルは俺から少し離れて、契約獣のを呼んだ。
出てきたのは牛?羊?どっちか分からないけど、大きくてモコモコした精霊が出てきた。
「メエー(はあふ、どうしたの?)」
「起こしちゃったかしら
ちょっとリュンヌちゃんの通訳をしてくれる?」
「メエ?(リュンヌちゃん?)」
「ええ、ベルンちゃんの召喚獣よ」
ネルは俺に許可をとってから抱き上げて、アルナイトの目の前に持っていった。
「にゃ(えっと、リュンヌです)」
「メエー(うん、よろしくねー)」
「それじゃあ、アルナイト、そこに寝転がってちょうだい」
アルナイトはネルの言葉に従い、寝転がれる位置まで移動し、寝転がった。
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