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しおりを挟む「そうでもあり、そうでもなし、かしら?」
「にゃ?(どういうこと?)」
思わず首をかしげた。
「恋人未満ってことね
マラーキーちゃんは今もベルンちゃんのことが好きだと思うけれど、ベルンちゃんは恩を感じているだけだと思うわ」
「にゃ?(恩?)」
そっか、やっぱりマラーキーはベルのことが好きだったんだ
今も一緒にいる2人を想像して、ズキズキと心が痛くなったけど、ベルはそうでもない事を聞いて、ほっとした。
「メエ(恩?)」
「ええ、リュンヌちゃんが来る前まではベルンちゃんはいろんな子からご飯に誘われたりしていたのよ
その事が煩わしかったのでしょうね
マラーキーちゃんがベルンちゃんに恋人のふりをしようかと提案したの
それにベルンちゃんは頷いたわ
でも、今頃はマラーキーちゃんに恋人のふりをすることを断っているんじゃないかしら」
「にゃ(そっか)」
その事を聞いて、安心した。
恋人の振りを断っているんだったら、本当に嬉しい
例えマラーキーの事を好きじゃなくても、恋人のふりはしてほしくない
「それに今はリュンヌちゃんがいるものね」
ネルがウインクしながらそう言った。
「にゃ?(どういうこと?)」
ネルが何か言おうとした時だった。
バタンッと大きな音をたてて扉が開いた。
「おいネル、てめーふざけんなよ!
って何でアルナイトを出しているんだ?
何かあったのか!?」
ダルクの声が聞こえた。
ネルがアルナイトの背中から乗り出すように振り返って、
「ダルク、あなたきちんと服を着たらどうなの?」
「てめーがそれを言うのか?
それに今日は出入りを禁じているんだろ
別にいいじゃねーか」
「それより、早く服を着てちょうだい」
「あ?何でだよ」
俺は色々と察して、おとなしくネルの膝の上にいたのだが、ダルクが不意に俺らのところに来て、俺と目があった。
あー、凄いですねダルク
キスマークがいっぱいだあ
多分、数秒俺を見て固まってたと思う
ボンっという音が聞こえてきそうなくらい顔を真っ赤にしたあと、ネルを睨み、ダッシュで出てきた部屋に戻っていった。
「はあー、だから服を着てちょうだいって言ったのに」
ネルが顔をニマニマと笑いながらそう言った。
「にゃ(わざとか)」
ボソッと呟き、少しダルクに同情した。
少ししてダルクが戻ってきた。
若干顔に赤みを残して、照れているのか少し乱暴に俺の事を撫でながら挨拶をしてきた。
「よおリュンヌ、来てたんだな」
「にゃあ
(さっきのことは忘れるよ
ダルクの名誉のために)」
アルナイトは俺の言葉を通訳せずに、変な声をあげて笑いを堪えていた。
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