魔王の番

にーにゃ

文字の大きさ
7 / 141

神子について

しおりを挟む






構造は洋風な造りで、さっきまでいた俺らが召喚された部屋から一本道の長い廊下で天井がガラス張りになっていて、夕日だろうか薄暗くなっているが温かい日差しが差していた。


「(さっきまでいた部屋が離れみたいな感じなのか?)」


暫くの歩いているとようやく扉にたどり着いた。
扉の前には騎士が1人いて、俺らが近づく前に扉を開けていた。

扉を通り抜け、洋風の造りになっているのだがまた違った構造に心の中で感嘆しながら廊下や広い部屋に入ったり、インウィが執事やメイドの人達に指示をだしたりして、漸くと皇子がいる部屋に着いた。


「あー!!インウィ、瑠璃、遅いぞ!」


「すみません、リン様」


「おう!いいぞ!!
早くこっちに来いよ!
今、ビアから神子について聞いてたところなんだ!」


「そうでしたか、では失礼して
どこまでお話になられましたか?」


「まだ、神子はこの国にとって重要だというくらいだな」


「そうですか、わかりました
では、私がお話ししてもよろしいですか?」


「ああ、インウィが適任だろう」


「なあ、まだか!?」


「お待たせ致しました。
それでは神子について私からお話させてもらいますね」


「おう!!」


「神子様は神から力を授かり、その力で癒しと繁栄を与えたとされています。
初代神子様は我々の敵である魔族を打ち滅ぼし、その後何百年と平和が続いたそうです。
金色の髪と青い目を持つリン様は初代神子様の特徴そのままなのです」


「そうなのか!!」


「ああ、だが魔族は完全には消滅していなかったらしい
ここ最近、魔族が増えていると報告があった
だからリン、一緒に魔族を消滅してくれないか」


「おう!!俺は強いんだろ!?
魔族なんか消滅しようぜ!!」


「さすが神子であるリンだ
魔族を消滅し終わったら、結婚しよう」


「な!何言ってるんだ!?
男同士じゃ結婚できないだろ!!」


「ああ、リンがいた世界ではそうだったのか
だがこちらでは男同士でも結婚できる
俺はリンが好きだ
リンも俺が好きだろう」


「そうなのか!!
おう!俺もビアが好きだぞ!!」


という会話を耳にしながら俺はドアのすぐ側に立ち、灰石たちを観察したり部屋を見渡したりしていた。
灰石の部屋であろう室内は一般家庭の一軒家がそのまま入るんじゃないかという位広く、そして無駄に豪華だ。


「(豪華なのはいいが下品すぎる
落ち着かない
それにいつまでこの茶番劇を見ないといけないんだ)」


そんなことを思っていたら

コンコンコンコン


「晩餐の準備が整いました」


扉の向こうからそんな声が聞こえ、扉の側で待機していた執事がそれを王子に伝えにいった。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

処理中です...