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与えられた部屋
しおりを挟む「(やっとか)」
「リン、晩餐の準備が整ったそうだ」
「早く行こうぜ!!」
「ええ、行きましょう」
「あっ!!瑠璃、そこにいたのか!!
瑠璃も早く来いよ!!」
「リン、晩餐は俺らの席しかない
あいつには部屋を与えたからそこで食事をしてもらう」
「そうなのか!!けど、瑠璃1人で可哀想だぞ!」
「リンは優しいな
後で、あいつの部屋に会いに行けばいい」
「そうだな!!じゃあな、瑠璃!」
「ほら、リン
手を貸せ」
「な、なんだよ!
しょうがないな!!」
そんなやり取りをしながら皇子と灰石は部屋から出て行った。
「あなた、こいつを客室、いえ、使用人の部屋にでも入れておきなさい
部屋がなければ物置にでも置いておけばいいでしょう
それと、こいつは異世界から来た神子様のおまけで、言葉は通じないので、世話は適当にしてください
何かの役に立つ時がくるでしょうから」
「畏まりました」
そう言って、インウィは皇子たちの後を追った。
インウィが見えなくなるまで頭を下げていた人たちは一斉に動き出し、俺はインウィに命令されたメイドに案内されて、使用人が住んでいるらしい所に連れていかれた。
どうやら使用人の部屋は1階の奥にあるらしい
「そこのあなた、待ちなさい」
急に声をかけられ、メイドと俺は止まって振り向いた。
「筆頭侍女カレナ様」
「確かメリサね
その者は?」
「はい、この者を宰相様の命令により使用人の空いている部屋か、物置部屋まで案内しておりました。」
「そうなの
で、この者は新しい使用人なのかしら?
そのような話はなかったと思うのだけれど」
「この者は宰相様が神子様のおまけと仰っていました
言葉は通じず、適当に世話をするようにと仰せつかっています」
「わかったわ
空いている使用人の部屋は今はないので、そうね、地下に続く階段の側の空き部屋に案内なさい」
「畏まりました」
地下に続く階段の側って事は、もしかしたら太陽に会えるかもしれない
使用人の部屋らしき所を通りすぎて暫く歩くと、地下に続くだろう階段があり、その側にあった部屋に案内された。
「こちらです」
メイドは扉を開けて中に入るように促した。
俺は恐る恐る部屋の中に入り、中を見渡した。
部屋の中は何もなく、本当にただの空き部屋だった。
「それでは、失礼します」
そう言って、メイドは部屋を出ていき、暗闇に包まれた。
「・・・は?」
ええー
放置?
取り敢えず、部屋を出ようとドアノブを回したがびくともせず、色々な方法で開けようとしたが結局扉が開くことはなかった。
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