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しおりを挟む条件と言われたから、何かしろとかそういう事を言われるんだと思っていたけど、予想外の言葉に驚きながらも返事をした。
「さて、それじゃあ先に服を着替えないとね」
あ、そっか、俺制服のまま・・・
「えっ、服、」
そう思い自分の体を見ると、黒色の上品な、だけど着心地がいい服を着ていた。
全く気が付かなかった
いつ、着替えさせられたんだ?
「ん?
ああ、服なら着替えさせたよお
窮屈そうな服だったし、汚れてたからねえ」
「あ、そうなんだ
ありがとう」
え、アベンが!?と言う言葉は、何とか飲み込んだ。
言うと、何か言われそうで怖かったからだ。
「じゃあ、着替えよっか」
いつの間にか手に持っていた服は黒を基調とした服で、ブレザーにどこか似ていた。
「ヒナちゃん、、脱ごっか?」
いい笑顔でアベンがそう言い、俺は覚悟した。
「アベン、っやめ、そんなとこ、触んなっ」
「えー、でも、触らないとぬけないよ?」
「もっ、いいから、」
「ダメだってえ
ほら、あと少しだから、」
「んんっ
くすぐったっ」
「ヒナちゃんは敏感なんだねえ」
「っ、そんなわけ、ねえっ」
「ふふっ
そうかなあ?」
「もっ、早くしろっ」
「ふっ、うん
・・・はいっ、出来上がりっ」
「、はあー」
・・・恥ずかしかった
絶対にわざとだ
俺がうまく動けないことをいい事に好き勝手やりやがって
最後に、髪やら細かいところをチェックされてようやく解放された。
「うん、可愛い!」
「・・・」
満足気に笑うアベンを見て、もう何も言うまいと黙った。
「それじゃあ、行こっか!」
そう言うと、俺を抱き上げた。
「はっ!?
ま、待てっ」
これは俗にいう姫抱きじゃねえかっ
「ん?どうしたの?」
「もしかして、このまま行くのか?」
嘘だと言ってくれ・・・
「そうだよお」
アベンは不思議そうに答えた。
「・・・はあー」
勘弁してくれ・・・
俺は諦めて体をアベンに預けた。
体も拭いてくれたのか綺麗にされてるとはいえ、匂いとか気になったりもしたが、それよりも体温が心地よくて自然とアベンにすり寄っていた。
筋肉や脂肪が減っているとはいえ男の俺を軽々抱えて、辛そうな素振りもなく、揺れを感じさせないで歩くとか、どんだけだよと心の中でそう思って暫くすると
「はい、とうちゃーく」
そう言った瞬間に、アベンは扉を蹴破る勢いで開けた。
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