魔王の番

にーにゃ

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魔王side

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ヒナタのあの魔力量、俺よりは少し劣るが相当なものだ
それにこの破壊力

俺は執務室を見渡した。
窓は割れ、壁にはヒビが入り、物は壊れて散乱していた。

俺が結界を張らなければ何も残らなかっただろうな
・・・ヒナタも死んでいただろう

それに、アベンが焦る顔を見るのは初めてだ
いつも飄々としているアベンがここまで必死になるとはな

いまだにヒナタを抱きしめて、青い顔をしているアベンを見てそう思った。

クラルの診察を終え、ヒナタを壊れ物でも扱うかのようにそっと抱えて出て行ったアベンを見送った後、俺も部屋を出て自室に向かった。

後ろからついてくるトリスに、


「もう一度神子を召喚した国を調査しろ
国の現状とルリという者を探してこい」


「かしこまりました」


トリスはスッと下がった。


ヒナタの魔力を取り込んだからか、気分が悪い
何処かで発散させるか

瞬時に森の方に飛んだ。

適当な獲物を見つけると狩る作業を何度か行い、魔力を発散させた。


「はっ、これくらいでいいか」


狩った獲物は持ち帰り、適当な奴らに押し付けて執務室に戻った。
執務室は綺麗に片付けられていた。


「やっと帰ってきたあ」


部屋の中にはアベンがいて、ソファーでくつろいでいた。


「なんだ、いたのか」


「そりゃあ、いるでしょお」


「ヒナタに付きっきりだと思ったが」


「そうしたかったんだけどねえ
そうもいかないでしょお?」


ヒナタを手に入れた時点で人族に対して嫌悪を示していたが、今は顔に出るほど相当な怒りが見える。


「そうだな
先ほどトリスに指示を出した
ヒナタが言っていたルリという者とあの国の現状についてだ
明日には報告がくるだろう」


「そっかあ
さすが魔王様」


「お前には伝えておくが、ヒナタを時期魔王にする」


これは決定事項だ
あの魔力量を持つものを放っておくことは出来ない


「・・・
予想はしてたよお
あの魔力量だもんねえ」


アベンは苦笑いをしながらそう言った。


「ああ、まずはヒナタが魔力コントロールが出来てからになるが」


「・・そうだねえ
ヒナちゃんの同意も必要だもんね」


「・・・ああ」


あいつは同意すると思うがな

それは言わずに心の内に留めた。


「でも、ルリって子はヒナちゃんとどういう関係なんだろう」


「まあ、親しい仲なのは間違いないだろうな」


予想はしているだろう事を口に出すとはな


「、そうだねえ」


アベンの目に少し狂気が見えた。


「殺すなよ」


「っわかってる!」


「ふっ、それならいいが」


「それじゃあ、明日だねえ
ヒナちゃんの所にいるからあ」


「ああ」


ルリってやつは殺されてないといいがな




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