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太陽side
しおりを挟む「う、うん、ふわあ」
あれ、俺どうしたんだっけ
確か、魔王と話をして、それから瑠璃の話をしてから・・・、記憶が曖昧なんだよなー
取り合えず体を起こそうと力を入れたが、まだ上手く力が入らず、何も出来ないまま再び寝転がった。
喉乾いたなあ
それに腹も減った
ここって、昨日いたベッドだよな
それじゃあ、アベンが来るか?
そう思った瞬間、扉が開いた。
ガチャ
「ん?ヒナちゃん?」
「アベン、」
喉乾いたって言おうとしたら
「ヒナちゃん!!
よかったあ、目を覚ましたんだねえ」
勢いよく走ってきたかと思ったら、いきなりガバッと抱きついてきた。
「うぐっ、くるしい、アベン」
「あ、ごめんね
でも、よかったよお
2日も寝てたんだよ、心配したんだよお」
俺の手を取ってぎゅっと握った。
「えっ、2日も!?、ケホッ」
道理で声も出にくいし、体も動かないわけだ
「大丈夫!?
すぐにクラルを呼んでくるから!」
アベンは慌てて部屋を出て行こうとしていたので、気づいたら握られていた手をあまり力が入らないけどぎゅっと握って引き留めた。
でも、これじゃあ気づかないかも
そう思った瞬間にピタッとアベンは足を止めて振り返った。
「ヒナちゃん、、可愛い!」
また、ガバッと抱きついてきた。
「く、くるしいから」
よかった、気づいてくれた
「あ、ごめんね、痛くない?」
「大丈夫、それより喉乾いた」
「あ、そうだね」
アベンはテーブルの上に置いてあったコップと水差しを引き寄せた。
「は?」
「ん?どうしたの?」
片方の手は俺の手を握っているから、片手でコップを持ち、水差しは宙に浮かせたまま水をコップに注いでいた。
「あ、いや、なんでもない」
そういえばこの世界って、魔法も使えるんだったな
目の前で普通に魔法を使ってみせるアベンに少し遠い目をしたのは仕方がないだろう。
「ヒナちゃん、水、あ、ちょっと待ってねえ
その体勢だったら飲みにくいよね」
アベンはそう言うと、コップも宙に浮かせ俺の手を握ったまま俺を抱き起し、背中にクッションを入れてくれた。
「ありがと」
「いいよお
ヒナちゃんにくっつくことが出来るしねえ」
「・・・」
恥ずかしいやつ
それからアベンは水を飲ましてくれ、俺が落ち着いた後に医師のクラルを呼びに行った。
俺から離れるときは寂しそうな顔をし、おでこにキスをした後に名残惜しそうに出て行った。
アベンはどういうつもりで俺にキスをしてくるんだ?
もしかして、誰にでもああなのか?
不意にアベンが誰かにキスをするシーンが頭に過った。
・・・ムカつく
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