魔王の番

※

「ルリ、なぜ俺から離れようとする」


ラスの拘束が緩んで、自覚ないままにラスの胸に手を置き、距離を取ろうとしていた。
そんな俺にラスは少しムッとした顔をして、再び今度はお互いの鼻が当たる距離まで顔を近づけてきた。

ごくっと生唾を飲み込んだ。
ドキドキとする心臓、ラスの胸に添えているだけになっている手はジワリと汗ばんできた。

あの形のいい唇と俺はキスをしていたのか


「はぁ」


思わず息を吐いた。


「ふっ、」


そんな俺にラスは小さく笑って、口づけた。
俺はラスとのキスに自然と目を閉じて受け入れていた。


「あ、ん、んん、」


初めは触れるだけのキスから深いキスまで、時間が経つにつれより激しくなっていった。


「はっ、んんっ、んあっ、」


時々、俺の反応を確かめるように俺の顔や体に触れた。
その時のラスの手つきが壊れ物でも触れているかのようにそっと俺の体を触ってくるので、それがくすぐったくて、もどかしくて、


「んっ、ラスっ、も、それ、んあっ、んんっやめっ、」


気持ちいいけど、足りねえんだって


「ん、、何をだ？」


そう言いながら、キスも触れてくる手も止めてはくれなかった。


「んぅっ、はっ、」


分かってるくせにっ
もどかしいんだよ！

キッとラスを睨みつけた。


「ふっ
それは、睨んでいるのか？」


ラスは俺の様子に楽しそうに笑っていた。


「ふぅっ、はあっ、わかってる、だろっ」


くそっ
楽しんでやがる

俺は力を振り絞って、ラスの服を掴み脱がそうとした。


「ふっ、大胆だな」


からかうようにそう言うラスに全身が熱くなった。


「うるせぇ」


大体、俺は裸なのにラスだけまだ服を着たままっていうのが恥ずかしいんだよ
・・・
くそっ
力が入らねえから、上手く脱がせねえ

俺が悪戦苦闘をしていると


「うあっ！
！？」


突然の体の刺激に思わず声を上げてしまった。
パッと上を見ると、ラスがニヤリとした顔で俺を見下ろしていた。


「ラスっ」


俺は咎めるようにラスの名前を呼んだ。


「俺の服を脱がさないのか？」


ん？と首を少し傾けながら、ラスの服を脱がす途中で止まっていた俺の手に添えて、そのままボタンを外していった。
まるで俺がラスの脱がしているかのような錯覚になり、より一層興奮した。

ハラリと露わになったラスの引き締まった体を思わず凝視した。

すげー締まってる
かっけぇ

ラスの体に見惚れていると


「この次はどうするんだ？」


と聞かれ、戸惑った。

この次って・・・！！
下しかねえじゃねえかっ

俺は視線を下に持っていき、というか敢えて見ないふりをしていた、ラスのそこを見た。