魔王の番

にーにゃ

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アメシストと授業

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太陽が今まで使っていた紙と新しい紙を何枚か持ってきた事を確認したアメシストは、唐突に俺らに質問をした。




「では、授業を始めたいと思います
アベンから引き継いでますが、あなたたちの口からどの程度の事を理解をしているのか聞きたいので、どちらでもいいですので話してください」




淡々と話すアメシスト
そんなアメシストに戸惑う俺ら




アメシストは沈黙する俺らに急かすこともせず、黙って俺らの様子を見ていた。
先に沈黙を破ったのは太陽だった。




「えーっと、基本の文字は理解し、ました
今は子ども向けの本を読めるようになりました」




太陽の言葉に頷く。




「ああ
後は、この国の歴史を教えてもらっている途中、です」




「ふむ、いいでしょう
それと、私に丁寧な言葉は不要です
普通に話すように」




「「わかった」」




その後、アメシストはアベンから教えてもらったこの国、シュバルツ国の歴史を質問形式で俺らがどこまで理解をしているのか試すように次々と質問をしてきた。



合格点をもらえたのかどうか分からないが、質問はようやく終わった。





「では少し休憩にしましょう」




アメシストのその一言で、ぐったりとテーブルに体を預ける俺と太陽
普通の聞くだけの授業より頭を使ったので、疲れが半端ない




「お腹空いた」




隣で俺と同じように体をテーブルに預けている太陽がポツリと呟いた。




「確かに」




俺も同意する





「ふむ、では軽食を持ってきてもらいましょう」




アメシストの意外な気の利いた言葉に、俺も太陽も同時にガバッと体を起こし、アメシストを凝視した。



嫌われていると思っていたけど、意外といい奴かも




「何ですか?」




凝視する俺らに怪しげに見るアメシスト




「「何でもないっ」」




慌てて首を横に振る。




「少し待っていなさい」




そう言って、部屋を出て行った。




「・・・なあ、」




太陽がポツリと





「・・・ああ」





何も言わずとも太陽の言いたいことが分かった俺は、頷く。



ラスはアメシストに何を言ったんだ?
初対面は物凄く睨んできた奴が、今日で2回目の対面なのに、太陽の一言でお菓子を持ってくるように頼みに行くって



急なアメシストの変化に太陽と二人、何も言うわけではないが戸惑いを隠せずにいた。
暫くすると




「お待たせしました
少し用がありましたので、ついでに持ってきました」




ノックオンと共に入ってきたアメシスト
手にはトレイにカップとポット、お菓子が置いてあり、器用に片手で運んでいた。




「あ、ありがとう、アメシスト」




「ありがとう」




まさかアメシスト本人が運んでくるとは思わず、同時に席を立ったままお礼を言う。







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