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だいじょうぶ
しおりを挟む「あああああああっ!!!」
いやだ
いやだ
いやだ
もう、やめろ!!
やめろ
やめてくれ!!
っおれが何をしたってんだ!!
もうっ
もうっ、かいほうしてくれっ
だれもおれにさわるな!!
「・・!・璃!瑠璃!!瑠璃!!!」
「っは!!」
咄嗟に目の前に人影が見え、思い切り払いのける。
バシッと音がしたと同時に、体を目の前にいる人物から懸命に遠ざける。
「ひっ」
だれ
くるな
いやだ
さわるな
さわるな!!
「瑠璃、瑠璃、俺だ!
太陽だ!
俺を見ろ!!」
俺の名前を呼ぶ目の前の人物をじっと見つめた。
次第に焦点が合っていき、目の前にいる人が俺のよく知る人物だと漸く分かった。
「ひ、なた」
あ、ひなた
ひなた、か
・・・よかった
「うん、俺だ
良かった、気が付いて」
ほっと息を付く太陽
そんな太陽を見て、ああ、また魘されていたのか、と思い知った。
ラスと寝るようになって魘される事はだいぶ減っていた
だが、ラスと離れて寝るようになって、同じ部屋に太陽がいるとしても魘される回数が徐々に増えていっていた事は分かっていた。
それでも、太陽に起こされるような酷い魘され方じゃなかった
・・・やっぱり、昨日クオーラにラスとローゼの事を聞いたから
ラス、本当にローゼと何もないよな?
信じてもいいんだよな?
でも、もしローゼがラスの番だったら?
・・・捨てられる?
「瑠璃っ」
名前を呼ばれて太陽の方を見る。
太陽は今にも泣きそうに顔を歪めていて、不思議に思った。
何かあったのか?
「ひなた?」
首を傾げ、何かあったのか?と太陽を見る。
「っ!?
自覚してないのか・・・?」
驚いたように俺を見る太陽
太陽はそっと俺の顔に手を伸ばしてきた。
その事にビクッと体が跳ねたが、太陽は気にせずに俺の頬を撫でる。
何かを拭い取るようにする太陽の仕草に、俺も自分の頬に手を当てた。
「なんで、何で泣いてるんだよ、瑠璃っ」
悲しそうに眉を垂らして俺を見る。
頬に当てた手はしっとりと濡れていて
泣いてる・・・
泣いてるんだ、と自覚したら次々と涙が溢れて出てきた。
何で泣いているのか分からない
何が悲しいのか分からない
分からないのに、涙が出る
何故だ・・・?
止めようにも止まらない涙
涙を拭う事もせず、ボーっと目の前にいる太陽を見る。
「っ!!
瑠璃っ」
その声と共に太陽が目の前から消えた。
と、同時に温もりを感じた。
耳元から聞こえる、大丈夫、大丈夫、と言う太陽の声にゆっくりと目を閉じた。
大丈夫、大丈夫
心の奥底から込み上げてくる暗い、悲しい、言葉を無理やり蓋をするように押し込める
大丈夫、大丈夫、
大丈夫、、大丈夫、、
だいじょうぶ、、、だいじょうぶ、、、
再び暗闇にのまれていった。
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