消えた猟奇的殺人犯

チャロキメデス

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第8章

勝負の行方

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 松崎は身体が恐怖で震えるのを抑えるのに必死だった。目の前にはあの猟奇的殺人犯の中西悟がいる。山崎は中西が様子を伺っているのに気が付いた。

 1ヶ月前から準備をしてきた。警察官である事は悟られない様に、身の回りもしっかりと整理した。後は中西を家に上手く誘い込む事だった。

 公園で少し子供と遊び、手筈通りお婆ちゃんに子供を迎えに来て貰い、預けた。

 自分はスーパーで買い物を済ませて、帰路に着いた。尾行の北林から中西は付いてきているとの連絡が入った。

 モニタールームの高橋にも連絡が入っていた。高橋は手がじっとりと濡れているのを感じた。

 松崎が部屋に入ると、中西も部屋に侵入した様だった。寝室の引き出しが開き、中西の姿が現れた。

「んっ?」中西がどうして姿を現したのか、高橋は不思議に思ったが、考えながらも先ずは中西の所へもう走り出していた。遂にその時が来た。

 中西はタンスから黒のTバックを取り出し、松崎に言った。「奥さん、完璧に合格です。」

 松崎は怖がっている様子だが何も言わなかった。中西は少し訝しく思った。「この女、何かを待っているような・・。」中西は勘づいたが、遅かった。

「見つけたぞ中西。」高橋は銃を構えていた。

 中西は嫌な予感がした。高橋の目は何かを決心していた、それが読み取れたからだ。

「高橋さんだっけ?」「しつこいね~、あんた。」

中西が話した後、銃声が響いた。

「うっ・・・。」「てめぇ・・。」足を撃たれた中西はその場に転がり込み、悶えていた。中西の足はみるみる赤く染まり、弾丸は貫通した様だった。

 高橋が再び銃を構えた瞬間に、中西は消えた。

「菅野、北林、中西は足に重傷を負っている、遠くには行けない筈だ。」「応援も呼んでくれ。」高橋は2人に指示を出し、自分も後を追った。

 中西は数100メートルの所で姿を現した。足を引きずり、何度も倒れかけた。それでも上手く逃げる事が出来た。路地裏に逃げ込み、近くのホテルに身を隠そうとしていた。
だが、傷が深く、出血のため気が遠くなりそうだった。

 後少しのところで中西の前に1人の男が立ちはだかった。今井だった。今井も高橋から連絡を受け、近くまで来ていたのだった。

「中西、終わりだな。」今井は不法に手に入れていた拳銃を中西の口に突っ込んだ。その瞬間中西は消えようとしたが、意識が飛んだ。

 今井は引き金を引かなかったが、満足していた。高橋も駆けつけ、今井の肩をポンと叩いた。今井は天を仰いだ。


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