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しおりを挟む主催の公爵たちとほぼ同時に現れたランドル侯爵とその隣にいるルビーナに注目が集まった。
結婚したという噂だけはこの1年半近くの間に嘘か真かと知れ渡っていた。
いや、真と知っていてもルビーナ本人が知られていないために、真実味がなかったのである。
公爵様に挨拶に来られる方々が流れで私たちとも挨拶を交わす。
はじめまして。よろしく。同じ挨拶を繰り返すうちに、実家の伯爵名が知れ渡る。
なるほど。援助で買われたか。やはりお飾り。エスコートは弟。面白いほど噂は広がる。
しかし、公爵家の夜会であからさまに揶揄ったり侮蔑な視線を送る者はいなかった。
ダンス曲が流れ、ニコラスの手を取って踊る。うん。踊れた。
エドワードの元へ戻り帰る予定が公爵様に捕まった。
仕方ないね。踊りましょう。
「一応、仲介者として確認をしようと思ってね。誰も聞いていない。正直に答えてくれたらいい。
この結婚は、君にとって不幸ではなかったかい?」
幸せか?と聞かないところが、この公爵様は面白い。
「不幸だなんて感じたことはありません。
侯爵邸は堅苦しさもなく、自分らしく過ごせています。
売られた先が侯爵様とその弟君で有難いことだったと思います。」
「政略結婚は結局、何かしらの利益に基づくものだ。金か流通の利便性か縁戚的なものか。
どこも似たようなものだ。深く考えることはない。まぁ、貴族の務めだな。」
「そうですね。侯爵夫人としての負担が少ないことが貧乏伯爵家の出として助かります。」
「はははっ。困ったことがあれば妻でもアクアでも頼りなさい。世話好きだよ。」
「ありがとうございます。頼れる方々がいるって安心できることですね。」
公爵と踊り終わり、挨拶をして帰宅することにした。
馬車の中、公爵との会話の中身を聞かれた。
「侯爵夫人としての負担が少なくて助かるというと笑われました。
何か困ったことがあれば奥様とアクア様は世話好きだから頼りなさい。と言って下さって。」
「ありがたいことだな。夜会はこれからも王城と今日の公爵邸くらいしか行かない。
お茶会も指定の家になるが、それ以外に交流を深めたい夫人ができれば教えてくれ。
別に閉じ込めたいわけではない。しかし、社交範囲が狭いのは我慢してくれ。」
「狭くて問題ありません。むしろ助かります。私、思った以上に社交性がなかったみたいで…」
「そういえばルビーナは聞き上手だと思うけど、自分から話題を提供する方じゃないね。」
「そうなんです。だから自分が主催側だと多分、場がもちませんね。
各々自由にどうぞ~って逃げそうですね。」
「…なんか想像できそうだな。」
三人で笑ってしまった。
侯爵邸に帰り、宝石を慎重に外し、ドレスを脱ぐ。髪の飾りも外し、入浴する。
お湯が温かい。疲れた。眠たい。ここで寝たい。いや、寝たらニコラスに運ばれる。
一緒に入浴したがるのをまだ躱している。仕方がない。出よう。
体を拭いて夜着を着せてもらった。私の目は開いてる?
何かにぶつかった。ニコラスの匂い?体が浮いた気がした。
気づいたら朝でニコラスの腕の中でした。あれ?
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