元婚約者に未練タラタラな旦那様、もういらないんだけど?

しゃーりん

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15.

 
 
学園を卒業したばかりの私は、義両親から旦那様との婚約を申し込まれたわ。
私の足の状態のこともお伝えしたけれど、お義父様もお義母様もそれは気にしないと言って下さったわ。


逆に、私の相手になるアドバス様のことを知ってから考えてほしいと言われて教えていただいたの。


アドバス様は、10歳の時に初恋の相手ができたそうなの。
その女の子にはもう婚約者がいて、婚約の打診はできないと言うとひどく落ち込んだらしいわ。

女の子は外の光の下では金色の髪に見えて、普段は淡い茶色の髪に見えた。
アドバス様も女の子を探した時に髪色が違っていて、あれ?って思ったらしいけど、お義母様に婚約者がいると聞いて髪のことは忘れてしまったみたい。

その時の女の子が私、ロザリアだったらしいわ。

アドバス様があまりにも落ち込んでいるから、お義母様は何となく私に似た令嬢がいないか探したそうなの。
そして何と見つけたのがロザリーさんだった。
淡い茶色という髪色だけでなく名前も似ているから、何年も前に少し会っただけの女の子の記憶は曖昧になっているに違いないと思って、アドバス様に婚約者の候補として合わせたらしいわ。

お義母様の想像通り、アドバス様はロザリーさんを初恋の女の子だと勘違いしたわ。

アドバス様は婚約者になったロザリーさんに夢中になったそうなの。

ロザリーさんのために騎士になりたくて、ロザリーさんの理想になろうと努力して、ロザリーさんのために尽くしてきた。

だけど、ロザリーさんは自分を放って騎士になることに夢中だったアドバス様が不満だったの。

『そばにいてくれない夫なんて要らないわ』

駆け落ちしたロザリーさんが実家に送った手紙にはそう書かれていたの。 

2人の婚約は解消されたわ。

アドバス様が婚約解消を知ったのは、辺境の実習と実習の合間に王都に戻って来た時だった。
義両親は、そのまま騎士になることも辞めてしまうだろうと思っていたそうなの。
だけど、アドバス様は残りの実習にも向かわれた。

気持ちを整理して戻ってくるんじゃないかと思って止めなかったけれど、実習を終えたアドバス様がおっしゃったそうなの。

『ロザリーが戻ってきても気づけるように王都の巡回騎士になる』

貴族の駆け落ちがうまくいく可能性は低いと言われているわ。
ロザリーさんもいつか必ず戻って来るとアドバス様は信じておられたの。

義両親的には、駆け落ちして平民になったロザリーさんを嫁に迎えるなんてあり得ないことだった。

そんな時、私が婚約者がいないまま学園を卒業したことを知ったそうなの。
足の怪我で婚約が解消されたことは知っていたけれど、その時はアドバス様はロザリーさんに夢中だったし、本当の初恋の女の子じゃないと気づいてもアドバス様が幸せならいいかと思っていたのに、ロザリーさんは駆け落ちした。

それならば、本当の初恋の女の子と結婚させてあげられるかも?

そう思って、私に結婚の話を持って来られたということだったわ。
 

断ってもいいと言ってくださった。でも、私はお受けしたの。

気づくかしら?気づかなくても仲良くなれるかしら?

そんな思いは、結婚式まで会えなかったことで無意味だったとわかったわ。

『旦那様は元婚約者に未練タラタラなのね』

ロザリーさんと勘違いされた初夜。

それから15回続いた『離婚してほしい』

エルビスを妊娠していなかったら、どうしていたかしら?

あなたの本当の初恋の相手は私だそうよ?って言ってから離婚してた?……多分、そうね。


私の妊娠に気づかない旦那様に義両親も呆れ果てて、気づくまで言わないことにしたわ。
騎士になって5年経つと帰ってくる約束だから、さすがにエルビスがいることに気づくわ。その時の旦那様の反応で私たち夫婦の今後を決めるつもりだったの。

でも、その前にロザリーさんが戻って来た。
お義父様はその情報を耳にしたけれど、旦那様は知らなかったの。1年も。
 
そして、旦那様がロザリーさんと出会ってしまったこともお義父様は情報を得ていたの。
騎士って目立つのよ?親しげに宿に入ったら見ている人もいるわ。教えてくれる人もね。

お義父様は見張りをつけて、部屋の契約のこともわかったの。

『アドバス自身に貴族でいるか平民になるかを選ばせよう』

お義父様は先を読んでらしたわ。旦那様が私に離婚を言いに来るその時に期日が決まったの。

後は旦那様も知る通りね。
 





 

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