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しおりを挟む湯浴みを終えたルイーズは、着替えて部屋のソファに座っていた。
一体、これから自分がどうしたらいいのか、どうすればいいのかわからなかった。
だけど、お腹が空いていたので運ばれた朝食を残さず食べた。
ルイーズはあまり繊細ではないので、起きてしまったことは仕方がないと既に前向きだった。
ルイーズは半年前に学園を卒業して19歳になったばかり。
婚約者は、いない。
ルイーズは5年前まで伯爵家の跡継ぎとして育てられ、婿入りする婚約者もいた。
だが、母が妊娠したのだ。そして、弟が産まれた。
この国では男子継承優先のため、弟が伯爵家の跡継ぎとなる。
ルイーズは婚約を解消することになり、嫁ぎ先を探すことになった。
子爵家の婚約者ができたが、卒業の少し前にギャンブルにより没落し、婚約も解消となった。
それ以来、新たな婚約者が見つからなかったため、ルイーズは侍女として働くことにした。
とは言えルイーズは出遅れていた。卒業後に雇用する採用試験はどこも終えていたのだ。
ルイーズは伯爵令嬢。
侍女として働くとすれば、王城か王宮、公爵家、侯爵家辺りになってくる。
弟が成長するまでルイーズが父親の仕事を手伝っても良かったが、そのうち弟が気にするかもしれないと思い、ひとまず外で働くことにしたのだ。
その方が出会いもあるかもしれないと期待して。
悩んだ父が相談したのが、ルイーズが今、訪れているセルフィの実家であるイーグル侯爵家。
父とは従兄弟の関係だった。
イーグル侯爵は、嫁いだ娘セルフィの侍女にと紹介してくれたのだ。
ガレント・モール公爵令息の妻になったセルフィに仕える侍女となったが、その娘ローラに気に入られたために2歳のローラの侍女となることになった。
昨日、ここイーグル侯爵家に来ることになったのは、侯爵の誕生祝いのためだった。
セルフィは体調不良のため来れず、しかし実家の両親が孫と会えるのを楽しみにしていることを知っていたため、ルイーズがローラを連れて来ることになった。
以前にもローラと訪れたことはあったから。
ガレントも当初の予定通りパーティーに出席するようセルフィに言われたため、一緒に来た。
パーティーは昼間だけど、ローラが侯爵家に来るときはいつも泊まりになる。
従兄弟がローラを可愛がりたいためらしい。
従兄弟というのは、セルフィの兄の子供たち。
夕べもその従兄弟たちと楽しく遊び、あっという間にローラは寝た。
侯爵家の侍女たちがローラを見ているのでゆっくり晩餐をしてほしいと言われ、ガレントと共に侯爵家の方々と一緒に過ごした。
強くないのでお酒に酔ってしまったことは覚えている。
眠くなったため、一足先に部屋に戻らせてもらった。
着替えてベッドに入ったのも何となく覚えている。
その後のことは………夢だと思っていた。
確かにガレント様が夢に出てきた。
彼は……この夢が嬉しい。ルイーズに触れられて幸せだと言っていた。
夢なんだから逃げないで自分と愛し合ってほしい、と。
ガレント様の情熱的な口づけに、『どうせ結婚することはないだろうから夢で経験してみたい』なんて寝ぼけたことを考えていた。
ガレント様みたいな素敵な人と初体験だなんて、ほんとに夢だ~!とか思って。
なので、要望通りに愛し合っているように抱かれた……………
え?酔いと眠気って、そんなに現実感がなくなるものなの?
それに、ガレント様も絶対に夢だと思っていたはず。
現実のガレント様は優しくて良い人だけど、私に恋愛感情なんて見せたことはない。
昨夜のガレント様は……ルイーズに好意を持った男の人だった。
ルイーズと名前を何度も呼ばれなければ、セルフィ様と勘違いしているのだと気づいたはず。
だけど、何度もルイーズの名前を呼んで、気持ちよく乱れるルイーズを嬉しそうに見ていた。
夢だと思っていたから、ガレント様の望むようにルイーズは恥ずかしさを捨てていた。
最悪だわ。
修道院行き、は勘弁して。
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