分厚いメガネを外した令嬢は美人?

しゃーりん

文字の大きさ
42 / 44

42.

 
 
よく晴れた爽やかな今日は、ミーシャの20歳の誕生日。

そして、ミーシャとカーティスの結婚式の日でもあった。

4年前、16歳の誕生日にアロイス様と結婚した。
その時は、看取り婚という結婚であったことから、結婚式は挙げなかった。

だから、敢えて同じ日に結婚式をすることにした。

ミーシャがアロイス様と出会ったあの教会で。
 
ここで出会わなければ、カーティスと知り合い、結婚することにはならなかっただろう。

アロイス様への感謝も込めて、アロイス様と結婚した同じ日に、出会った教会で。

きっと、アロイス様は喜んでくれている。



王都には数か所、教会がある。
その中でも、この教会は街外れにある。
大きな教会ではなく、こじんまりとした教会。
左右に5人掛けのベンチ椅子が並んでおり、15列ほどしかない。
大柄な男性やドレスを着た女性が座ると、5人掛けも3人掛けになるだろう。

だけど、居心地が良く、ステンドグラスをじっくりと眺めたくなる、そんな教会である。



ミーシャは、侯爵家の侍女たちに化粧をされて、髪をセットされて、ウエディングドレスを着せてもらった。
もちろん、厚底ヒール靴のおかげで歩ける。

メガネなしで化粧をして着飾った自分の姿を鏡で見たミーシャは、驚いた。


「化粧をすると、こんな顔になるの?」

「「「っはい。お綺麗です~。」」」
 

自分たちが施した化粧を芸術品のように侍女たちが眺めてくる自分の顔が思わず引きつりそうだった。

うん。何だろう。好みは人それぞれだと思うけど、確かに人目を惹きやすい顔だと思う。
普段は化粧をしないように勧めた意味がわかった気がした。


お義母様とフレイアお義姉様にも、頭の先からドレスの裾まで何度も確認された。


「「完璧だわ~。とても綺麗よ。」」


声を揃えて絶賛された。


「ありがとうございます。ドレスと、侍女の方たちの腕のおかげです。」

「とても似合ってるわ。それに、うちの侍女たちの腕は確かに素晴らしいわね。
 そして、何よりミーシャさんが輝いているわ。
 カーティスとの結婚を心から望んでくれていると思っていいのね?」

「はい。カーティス様と幸せになりたいと思っています。」


婚約時には、カーティス様に恋愛感情がなかったことを知っているから確認してくれたのだろう。
今の気持ちを知られるのは恥ずかしいけれど、輝いて見えるのなら嬉しい。



時間になり、侍女一人と係員を残してみんなは先に席に着いた。

係員に案内されて扉の方へ向かうと、侯爵様改めお義父様が待っていてくれた。


「これは……とても美しい花嫁だ。カーティスよりも先に見れて光栄だよ。
 義娘と一緒に歩けるなんて嬉しい経験もできるし。」


ニヤッと笑うお義父様は、まだまだとてもカッコいい。
そして、アロイス様ともカーティス様とも似ていると思った。


義父の腕に手を添えて、扉が開いて歩き始めた。
大聖堂に比べたら1/5ほどしかない距離の先にカーティス様がいる。
左右の椅子には、セオドア様や騎士団で会ったことがある人や研究所のジェイコブ様、医師のハリー先生、家の使用人のマイラとビルもいた。
身内だけのはずが、見覚えのある顔が並んでいて驚いたけれど嬉しかった。

あっという間にカーティス様の元へと辿り着き、お義父様の腕からカーティス様に手を渡された。

カーティス様は、とても素敵だった。

私に、『とても綺麗だ』と言ってくれたカーティス様に『カーティス様も素敵です』と返して微笑み合っている間も、神父様や周りのみんなは微笑ましく見守ってくれていた。


誓いの言葉を述べ、婚姻誓約書にサインをして、誓いのキスをして夫婦と認められた。


とても幸せな気持ちで式を終え、この後は侯爵邸で身内だけのパーティをすると聞いていたので、カーティス様と扉の方へと向かい、外へと繋がる扉が開かれると………花が舞っていた。

孤児院の子供たちが、『おめでとう!』と言いながら、フラワーシャワーをしてくれたのだ。

そして、その向こうには人だかりが………騎士たちや顔見知りの被験者の人たちだった。

『おめでとう!』と言いながら拍手をしてくれるみんなに感動しながらお礼を言い、手を振りながら馬車に乗り込んだ。

 



 
 



 

あなたにおすすめの小説

あなたに嘘を一つ、つきました

小蝶
恋愛
 ユカリナは夫ディランと政略結婚して5年がたつ。まだまだ戦乱の世にあるこの国の騎士である夫は、今日も戦地で命をかけて戦っているはずだった。彼が戦地に赴いて3年。まだ戦争は終わっていないが、勝利と言う戦況が見えてきたと噂される頃、夫は帰って来た。隣に可愛らしい女性をつれて。そして私には何も告げぬまま、3日後には結婚式を挙げた。第2夫人となったシェリーを寵愛する夫。だから、私は愛するあなたに嘘を一つ、つきました…  最後の方にしか主人公目線がない迷作となりました。読みづらかったらご指摘ください。今さらどうにもなりませんが、努力します(`・ω・́)ゞ

あの、初夜の延期はできますか?

木嶋うめ香
恋愛
「申し訳ないが、延期をお願いできないだろうか。その、いつまでとは今はいえないのだが」 私シュテフイーナ・バウワーは今日ギュスターヴ・エリンケスと結婚し、シュテフイーナ・エリンケスになった。 結婚祝の宴を終え、侍女とメイド達に準備された私は、ベッドの端に座り緊張しつつ夫のギュスターヴが来るのを待っていた。 けれど、夜も更け体が冷え切っても夫は寝室には姿を見せず、明け方朝告げ鶏が鳴く頃に漸く現れたと思ったら、私の前に跪き、彼は泣きそうな顔でそう言ったのだ。 「私と夫婦になるつもりが無いから永久に延期するということですか? それとも何か理由があり延期するだけでしょうか?」  なぜこの人私に求婚したのだろう。  困惑と悲しみを隠し尋ねる。  婚約期間は三ヶ月と短かったが、それでも頻繁に会っていたし、会えない時は手紙や花束が送られてきた。  関係は良好だと感じていたのは、私だけだったのだろうか。 ボツネタ供養の短編です。 十話程度で終わります。

婚約を破棄したいと言うのなら、私は愛することをやめます

天宮有
恋愛
 婚約者のザオードは「婚約を破棄したい」と言うと、私マリーがどんなことでもすると考えている。  家族も命令に従えとしか言わないから、私は愛することをやめて自由に生きることにした。

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

君を愛す気はない?どうぞご自由に!あなたがいない場所へ行きます。

みみぢあん
恋愛
貧乏なタムワース男爵家令嬢のマリエルは、初恋の騎士セイン・ガルフェルト侯爵の部下、ギリス・モリダールと結婚し初夜を迎えようとするが… 夫ギリスの暴言に耐えられず、マリエルは神殿へ逃げこんだ。 マリエルは身分違いで告白をできなくても、セインを愛する自分が、他の男性と結婚するのは間違いだと、自立への道をあゆもうとする。 そんなマリエルをセインは心配し… マリエルは愛するセインの優しさに苦悩する。 ※ざまぁ系メインのお話ではありません、ご注意を😓

【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない

かまり
恋愛
公爵令嬢エレナは、婚約者の王子と聖女に嵌められて処刑され、死に戻るが、 それを夢だと思い込んだエレナは考えなしに2度目を始めてしまう。 しかし、なぜかループ前とは違うことが起きるため、エレナはやはり夢だったと確信していたが、 結局2度目も王子と聖女に嵌められる最後を迎えてしまった。 3度目の死に戻りでエレナは聖女に勝てるのか? 聖女と婚約しようとした王子の目に、涙が見えた気がしたのはなぜなのか? そもそも、なぜ死に戻ることになったのか? そして、エレナを助けたいと思っているのは誰なのか… 色んな謎に包まれながらも、王子と幸せになるために諦めない、 そんなエレナの逆転勝利物語。

【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜

よどら文鳥
恋愛
 伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。  二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。  だがある日。  王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。  ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。  レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。  ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。  もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。  そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。  だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。  それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……? ※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。 ※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)

【完結】お荷物王女は婚約解消を願う

miniko
恋愛
王家の瞳と呼ばれる色を持たずに生まれて来た王女アンジェリーナは、一部の貴族から『お荷物王女』と蔑まれる存在だった。 それがエスカレートするのを危惧した国王は、アンジェリーナの後ろ楯を強くする為、彼女の従兄弟でもある筆頭公爵家次男との婚約を整える。 アンジェリーナは八歳年上の優しい婚約者が大好きだった。 今は妹扱いでも、自分が大人になれば年の差も気にならなくなり、少しづつ愛情が育つ事もあるだろうと思っていた。 だが、彼女はある日聞いてしまう。 「お役御免になる迄は、しっかりアンジーを守る」と言う彼の宣言を。 ───そうか、彼は私を守る為に、一時的に婚約者になってくれただけなのね。 それなら出来るだけ早く、彼を解放してあげなくちゃ・・・・・・。 そして二人は盛大にすれ違って行くのだった。 ※設定ユルユルですが、笑って許してくださると嬉しいです。 ※感想欄、ネタバレ配慮しておりません。ご了承ください。