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しおりを挟むおバカなリリスとロメオ様の計画はあり得ないことだとさすがに理解しただろうと思ったので、リリスに言った。
「リリス、もういいかしら?私たちはこれで……」
「わかったわ!なら、離婚しなくてもいい。
だけど、ロメオ様と私の子供を跡継ぎにしてくれるわよね?
あなたとロメオ様に子供ができるわけないの。白い結婚なんだから。」
言葉を遮ったかと思えば、ちゃんと理解できていなかったらしい。
「……リリス、さっきも言ったけどロメオ様の子供は跡継ぎにはできないわ。」
「どうして?クレージュと結婚したままなんだから、ロメオ様の庶子ということでしょ?
庶子を跡継ぎにすることはよくあるじゃないの。」
「ロメオ様もリリスもオリーブ伯爵家の血筋ではないわ。
言ったでしょ?跡継ぎは血筋で選ぶの。この国の法律ではそうなの。わかった?」
リリスは私と同じ16歳よね?なんだか小さな子供と話してる気分になってきたわ。
そこでクレージュの隣にいたワンダーが口を挟んだ。
「君、先ほどからすごく失礼なことばかり言ってるとわかっているか?
私がクレージュの婚約者であると認識していたのに声をかけてきたね。
それは、自分の恋人と改めて婚約させるつもりだったのに、婚約者がいて当てが外れたからか?
挙句、愛人になる自分の子供を跡継ぎにと言い出す非常識さ。驚くよ。
全て言いがかりだ。もう私たちに声をかけないでもらえるかな?」
これ以上、注目を浴びることも避けたいのでワンダー様と一緒に去ろうとした時、新たな声がした。
「リリス、こんなところにいた。踊ろうって言ってたのに何かあった?」
ロメオ様だった。婚約者はいないけど、リリスと踊るために来たみたい。
「ロメオ様~。
私たちの計画をもう一度実行するためにクレージュにロメオ様と婚約してもらおうと思ってたのに。
ロメオ様は伯爵になれないって言うんです。私たちの子供も継げないって。
ひどいと思いません?」
「え?リリス、その計画はダメになったって言っただろう?
もうクレージュ嬢の婚約者にはなれないと父からも怒られた。
また勘違いで言いがかりをつけたら、今度は家から追い出されてしまう。
また別の方法を考えよう。」
どうやらリリス一人の独断で言いがかりをつけてきたらしい。
ロメオ様は家を追い出されてしまわないように、私に近づくつもりはなかったみたい。
だけど、ちゃんとリリスに理解させておいて?
別の方法を考えるって、平民になって2人で暮らすことがみんなにとって平和だと思うわよ。
ロメオ様が、私の方を向いて頭を下げてからリリスを連れて行った。
どうやら揉め事は終わったらしいと周りの人たちも動き出す。
私もワンダー様と飲み物を取りにその場を去った。
会場の片隅で、クレージュの父がリリスの両親と思われる人たちを捕まえて何か言っているのが見える。
相手は頭をペコペコと下げて父に詫びているように思われる。
この国の爵位の常識を改めてリリスに教えておくように言ってほしい。
最後に、『ひどいと思いません?』なんて、まだ理解していないような言葉が出てきたから。
それにしても、リリスは終わったわね。ロメオ様もかな。
学園でだけならまだしも、こんな大勢の人の前で無知を晒して、人の家を乗っ取るようなことを考えていたと暴露するんだから無傷ではいられないわ。
でもまぁ、未遂だし?思いっきり勘違いだし?
ただのおバカだから、逆恨みも怖いし正式に訴えるほどでもないかな。
良くて、2人で平民。
悪ければ、2人は別れさせられて修道院と肉体労働を親から言い渡されるってとこね。
リリスは恋愛が絡まなければ問題なく過ごせると思う。
ロメオ様は自分の身なりを気遣えない生活をしてみればいいのよ。
自分の隣に似合うなんて言ってられなくなるだろうからね。
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