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イザベルに、覚悟を決めて言った。
田舎貴族なので領地に住む。王都にはたまにしか来ない。
なので王都に家は持たない。
ドレスも宝石もたくさん必要ない。
イザベルが買った物は返品や取り消しができるものは返した。
払える金額ではない。うちは金持ちではない。
結婚前に領地に行こう。どんなところで生活するのかを見ておくべきだ。
そう言った僕に、イザベルは言った。
「絶対に嫌よ!」
僕は王都に住むと言った覚えは一度もない。
本当は領地で結婚式をあげるべきなんだ。
前も言ったが、王都で誰を呼ぶ?誰が来てくれるんだ?
君の願いを叶えてやりたかったが、これ以上はもう無理だ。
ここの滞在費ですら勿体ない。出費が多すぎた。
ここにいても仕事がないんだ。
僕は領地に帰る。君は実家に帰るか?僕の領地に行くか?
「私はここにいるわ!実家にもあなたの領地にも行かない!」
じゃあ、婚約を解消しよう。僕と結婚しても君の願いは叶わない。
「今更、私を捨てるなんて許さないわ。」
そうは言っても、僕の仕事は領地にあるんだ。
代々受け継がれた領地を放り出すわけにはいかない。
結婚するなら、領地で式をあげるから家族と来てくれ。
婚約解消するなら、早めに連絡がほしい。
結婚式の日に領地に来なかったら婚約解消する。
僕は、明日領地に帰るよ。
「勝手に決めないでよ!滞在費を置いて行って!」
もうないよ。返品が出来ないドレスを売って金にするしかないよ。
僕にこだわっても金は湧き出てこない。
金持ちを探して結婚すれば?君なら貴族よりも商人とかがいいんじゃない?
「ひどい!それが婚約者にいうこと?出てって!」
わかった。明日は早く領地に向かうからここでお別れだ。
婚約解消するなら今すぐでもいいよ?
「…すぐには決められない。また連絡するわ。」
わかった。準備もあるから早めに決めてほしい。じゃあな。
そう言って別れたが、イザベルを監視するために僕は安宿に移るんだ。
金持ちと浮気するのが早いか結婚式の日になるのが早いか。
金持ち相手じゃなくてその辺の男と浮気したのは、わずか2日後だった。
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