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しおりを挟む屋敷を騎士団が取り囲み、騎士団長と数人が中に入った。
侯爵は…すぐに見つかった。
どうやら刺したのは侯爵本人らしい。
手も服も血まみれで、ナイフも側に落ちている。
「ナフィン侯爵、殺人容疑でご同行いただけますか?」
「…あれは御者だ。私を侮辱したからだ。」
「私刑は認められません。」
ナイフを見ている侯爵が危険だと判断し、直ちに確保した。
「…そのナイフ、鞘が珍しい柄なんだ。中が汚れたら嫌だからキレイにしてから納めてくれ。」
…おいおい。汚れたから見てたのか。汚したのはお前だろ。
と心の中で騎士団長は呆れたが、どうやら他の騎士たちも呆れていたようだ。
ナフィン侯爵と護衛を騎士団本部まで移送し、牢に入れた。
やってきたショコルテ公爵にどちらを先に取り調べるか確認したところ、護衛に決まった。
この護衛はラキと名乗り、その後は無言だという。
「ラキ、お前はいつから侯爵家に仕えている?」
死体遺棄以外の質問に、ラキは顔をあげた。
「…公爵?」
「そうだ。私の顔は知ってるんだな。お前が殺した私の妻の顔は覚えてるか?」
「…俺が殺したわけでは…違う。」
ラキの目がキョロキョロと動く。
「何が違うんだ?お前が依頼したんだろ?あんなろくでもない男たちに!」
「………」
「お前、娘が前侯爵のお陰で助かったんだってな。その代わりにいろいろ手伝わされたか?
前侯爵は死んだ。現侯爵も終わりだ。義理立てする必要はもうない!」
「………」
「侯爵邸で働いている娘に全部知られたいか?白状すれば公表されるのは今日の事件だけだ。
侯爵の殺人、お前の死体遺棄。主の命令に従った部下だ。
それとも、お前の孫と大して変わらない年頃の娘を買うことに加担したと伝えるか?」
ラキは大きく息を吸って吐き出した。
「…わかりました。何を話せば…」
「まず、13年前の妻と娘のことだ。
二人を拉致するように言ったのはどっちの侯爵だ?どっちもか?」
「前侯爵様が奥様を、現侯爵様が娘さんです。
前侯爵様の好きだった人にそっくりだと言っていました。
髪色が珍しくて気にいっていたと。
現侯爵様も影響を受けて欲しくなってしまったようです。
でも、自分好みに育てたいと。それで娘さんの方を。」
「お前があの男たちを手配したのか?」
「…そうです。金で動くと知っていました。
後で面倒なことにならないように、始末することを指示されていました。
始末するのなら、ろくでもない奴を選ぼうと思ったんです。
馬車の中で眠らせて連れてくるように薬も渡しました。
宿で待っていたら、あいつらが失敗したとやってきて。
手違いで母親を刺したら死んだ。娘はそれに驚いて死んだ。そう言ってました。
興奮して声が大きいから、落ち着けと言って4人に水を飲ませた。眠り薬を入れて。
寝た男たちの口に毒を入れて殺しました。」
「それをそのまま侯爵たちに報告したんだな?」
「はい。あの屋敷に部屋も作っていたので残念がっていました。
ですが、また誰か探そうと二人が言っていました。」
「その部屋には誰か入ったのか?」
「いえ。その後、前侯爵様の具合が悪くなってしまって。
現侯爵様は引き継ぎをしたりして忙しくなりました。
前侯爵様が亡くなった後、公爵夫人と同じ髪色の妹がカシュー伯爵夫人だと知りました。
カシュー伯爵夫人は、領地からほとんど出ないから侯爵様は知りませんでした。
調べると娘が二人いるとわかりました。
髪色をどうやって確認するかとその機会を伺っている間に、伯爵夫妻が亡くなりました。
葬儀で確認しようと行きました。
珍しい髪色の可愛い少女がいました。
少女のことを聞いていると、買うかと聞かれて侯爵様は買うことにしました。
王都で引き渡す契約でした。ですが、少女が逃げたので中止になりました。
見つかれば連絡をくれるように頼みました。」
13年前と8年前の全貌が明らかになった。
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