代理で子を産む彼女の願いごと

しゃーりん

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ナフィン侯爵は落ち着いていた。人を殺しても何とも思っていないようだ。
ショコルテ公爵は騎士団長と共に尋問した。

「ラキから全て聞き出した。
 13年前の妻と娘の事件、8年前に買うはずだった少女、そして今回の少女。
 あなたの目的は珍しい髪色の無垢な少女だった。間違いないか?」

「ええ。」

「何か他に言うことはあるか?」

「いいや?結局3人共、手に入れられなかった。
 やっぱり人に手を出すのはよくなかった。物で我慢すべきだった。」
  
「5年ほど前に、死体を処理したとラキが言っていた。どこの誰だ?」

「あれは…娼婦ですよ。感情が高ぶって首が締まったようでね。」

「二人共?」

「そう、二人共。でも証拠がないですよね?
 今回の御者は仕方ありませんが…罰金でいいですか?」 
 
「何を言っている?たった今、自白しただろ?ラキの自白もある。カシュー伯爵の自白もだ。
 爵位はく奪で鉱山送りか?」

「証拠はない!」

「3人の少女売買未遂、2人の娼婦殺人、1人の御者殺人。自白と状況証拠で十分だ。」

「…は?横暴だ!殺人は平民じゃないか。売買も未遂だ。」

「私の妻を殺した罪もお前に負ってもらうからな。」

「それは父だ!」

「父親はもういないだろ?だからお前の罪にしてやるよ。公爵夫人殺害ってな。」

「殺せなんて言っていない!」

「言っていなくてもお前たちの指示で妻は死んだ。同罪なんだよ。」

「ははっ…どう足掻こうがもう出られないってことか…ハハハハハ」

ナフィン侯爵はようやく悟ったようだ。狂ったように笑い始めた。

「はは…残念だ。はぁー。…頼みがある。毒で早く死にたい。鉱山なんて冗談じゃない。」

「何故、早く楽にしてもらえると思うんだ?」

「じゃあ、いい話を教えてやるよ。多分、もう誰も知らない王弟公爵様の奥様の母親の話。」

「妻の母親?何でお前が知ってる?」

「父から聞いた話だよ。何故、早くに亡くなったのか。知りたくないか?」

「…別にいい。それを知ったところで今更どうしようもないだろ?」

「つまらないね。…人でなしの夫を持ったせいだよ。
 父が言ってたよ。だから、自分と結婚していれば幸せにしてやったのにって。」

「……」

「興味が出てきた?」

「どんな話だろうと、お前とお前の父親も人でなしだ。同類の話など胸糞悪い!」

ショコルテ公爵は、そう言い部屋を出た。
残された騎士団長も部屋を出ようとしたが、ナフィン侯爵が言った。

「話したい気分になってしまったんだ。胸糞悪い話を騎士団長に聞いてもらおう。」

「いや、俺も興味ない。」

「あんたが聞いてくれないなら、次に来た騎士に聞いてもらうよ。」

仕方なく騎士団長は座り直し、話を聞くことにした。 


…本当に胸糞悪くなる話で、一番の人でなしは前ナフィン侯爵だった。





 
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