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前ナフィン侯爵カシームは、学園で出会った珍しい髪色の侯爵令嬢アンネに惹かれた。
しかし、アンネには既に婚約者の侯爵令息シリルがいた。
諦めきれずに婚約を何度も打診したが、当然断られる。アンネにも避けられはじめた。
学園卒業後、アンネはシリルと結婚する。
カシームも親に決められた相手と結婚した。
アンネは二人、自分の色に似た娘を産んだ。そのことでシリルが気づいた。
アンネの母は女しか産まず、愛人の子が後継になった。
アンネは女系なのだと。このままでは後継の男が産まれない。
その事を愚痴りながらシリルは友人と酒を飲んだ。
酔っ払ったシリルを、『ここで少し休んで帰れ』と部屋に入れた。
フラフラとベッドに向かうと女性がいた。
酔って頭が働かないシリルは友人が娼婦を呼んでくれたと思った。
そして、女性に襲いかかる。…酒に少し媚薬が入れてあったらしい。あとで知った。
鬱憤を晴らすかのように荒々しく抱き女性の中で2度果てた時、友人が戻ってきた。
『純潔の妹を抱いたんだ。責任を取れ』…嵌められた。
この妹マーリンは学園卒業後も婚約者が決まらず、後妻か愛人に狙いを変えた。
誰に狙いを定めるか悩んでいた時に、ある男から男の子を産むと跡取りになれる貴族家の名を囁かれた。
兄の友人の侯爵家。兄妹で狙いを定めた。その結果がこの日だ。
『男の子を産んであげるから愛人にして』その言葉はシリルには魅力的だった。
しかし、シリルには愛人を囲う部屋がなかった。
『兄の知り合いが部屋を貸してくれる。そこに通って来て』…シリルはマーリンを何度も抱いた。
数か月後、妊娠が発覚。シリルは喜んだ。
あと2か月ほどで生まれるという時に、部屋の持ち主を紹介された。…カシームだった。
『順調そうだな。シリル、部屋のお礼はしてくれるだろ?』『…望みは?』
『男の子が生まれたら、でいいよ。その時にお願いする。断らないよな?』『わかった』
シリルは、カシームのお願いが何かわかっていた。
アンネが次女を産んでから、シリルはアンネをほとんど抱いていない。
また妊娠してまた女の子だったら…それが怖くてマーリンを抱いていた。
そして、マーリンは男の子を産んだ。
子を跡取りとして、マーリンを乳母兼愛人として侯爵家に連れ帰ることになった。
それと同じ日、シリルはアンネを連れてマーリンを囲っていた部屋に連れてきた。
『シリル?ここはどこ?』
『…今から人が来る。その者に従ってくれ』
そう言い残し、シリルは部屋を出た。入れ替わりに入ってきたのはカシーム。
『…え?カシーム様?』
『やあ。久しぶりだね、アンネ。1週間、よろしく』
『1週間?どういうこと?』
アンネが戸惑っている隙に手を拘束してベッドに繋いだ。
『いやっ!何なの?』
『アンネはね、1週間、俺に売られたの。今頃シリルは愛人が産んだ男の子を連れて帰ってるよ』
『…どういうこと?』
『シリルはね、女の子しか産めない君に興味がなくなったんだ。そして愛人に男の子を産ませた』
『…カシーム様がどう関係するの?』
『この部屋はね、俺の持ち物だ。シリルと愛人に貸していた。そのお礼が君だよ』
『冗談じゃないわ。私は関係ない。娘たちが待ってるのよ。帰して!』
『大丈夫。シリルの愛人の子に腹を立てて1週間、友人宅に家出したことになってる』
『いやよ!帰るわ!』
『はー。落ち着いて。わかった。ひとまず話をしよう。全部話してあげる』
カシームはお茶を入れてアンネに渡した。落ち着いて飲み干すまでお互い無言だった。
飲み終えた後、アンネは体が不自然に熱くなっていることに気づいた。
『っ何か入れたの?』
『落ち着いて話し合うためにちょっとね』
手がベッドと繋がっていることを忘れて逃げようとするアンネはカシームに押し倒された。
『たっぷり話してあげるから。体でね』…1週間が始まった。
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