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13.
しおりを挟むレーシアが消えた。
その報告があったのはレーシアが保養に旅立って20日ほど経ってからだった。
あと数日後には病気持ちの男に抱かれる予定だった、その前に。
誘拐や失踪ではなく、一応手紙を残していた。
要約すると、
抱いてもらった男の一人がとても性技に長けており、女性が少ない地域なので乱交が当たり前。
しかも、遺伝的なのか立派なモノを持つ男が多く、他国では嫌がられることもある。
その地域では女性は大切にされるし、子供はみんなで育てるし、衣食住にも困らない。
いろんな国で娼婦も勧誘したが、金や家族のために仕事として働いているので行けない。
レーシアは男に抱かれるのが好きで、仕事をしているわけではない。
望む生活をさせてくれるというのでついて行くことにした。
もう戻ってこないので、保養中に死んだことにしてくれ。
そんな内容だった。
呆れたがレーシアらしいとも思った。それに死なせずに済んだことも良かったと思った。
確かに、一人の女を共有する地域があると聞いたことはある。
公爵にも手紙を見せた。
『出産後、体調が思わしくなく保養に行ったが、体調が悪化して死亡した』
そういうことにしようと公爵と話し合い、遺体なき葬儀を行った。
葬儀が終わり少し経ったある夜、侯爵の私室の扉がノックされた。
もう夜も遅く、寝ようとする時間。誰だと聞くと、答えたのは妻だった。
「どうしたんだ?こんな時間に。明日でも……」
妻が抱き着いてきたので驚いた。しかも、震えている。
「何かあったのか?」
「…あなたと、閨を共にしたくて…」
思いもしなかった返事に言葉が出ない。
「昔、自分から拒んだのに今更だってわかっています。こんな歳になったし。
でも、あなたがレーシアさんを抱いている間、いつも嫉妬していました。
若さはないけれど、もう一度だけあなたに抱いて欲しくて……」
「君はいつまでも綺麗だよ。」
妻にキスをしたのは、一体何年ぶりだろうか。
妻をベッドに横たわらせ、優しく丁寧に体を解していく。
レーシアを抱いたことで自分の昔の過ちにも気づいた。
妻の中の潤いが少ないまま、中をあまり解さないままに自分のモノを突き入れていた。
レーシアが言うには、私のモノは大きい。
つまり、快感よりも苦痛が大きすぎて妻は拒むようになったのだ。
「あぁ、そんなところを舐めないで……」
「君の中はすごく狭い。苦痛を与えたくないんだ。
痛くないか気持ちいいか、それを教えてくれた方がありがたい。」
指を2本にして中を解し、粒を舐めて吸うと喘ぎ声が大きくなった。
「ああ…待って…待って…何か……んん……ああっ!」
中の指をきつく締めつけてビクビクと達している妻は色っぽかった。
「今の……」
「あぁ、快感が弾けたようになったんだろう?達したんだ。イったとも言うけど。
イクと、中から愛液も出てくるし柔らかくもなる。
もう指が3本入った。大分広がったよ。」
「もういいわ。少しくらい痛くても。早くあなたと一つになりたいの。」
妻からこんな言葉を聞けるとは。そうだな。これ以上大きくなるともっと痛くなるかもしれない。
「じゃあ、入れるぞ。」
妻の様子を見ながら、少しずつ中に押し入れていった。
奥まで入れる頃には汗が流れた。すごく狭い。レーシアが緩いと言ったファルクは正しい。
「大丈夫か?」
「ええ。嬉しいわ。大丈夫よ。動いて?」
ユルユルと動くと胸もプルプル揺れる。まだ張りもあるし綺麗な胸だ。
それを見ながら大きく動いても、滑りがあるせいか痛がらない。
あぁ、蕩けそうなくらい気持ちがいい。
私が興味を持った『慣れていない体』がここにあるじゃないか。
今の妻なら、一緒に快楽に溺れてどんなことでも許可するのではないか?
一度だけと言わず、夫婦生活を取り戻そうじゃないか。
侯爵は今後、妻にどんな体位で乱れてもらうかを想像しながら激しく突き、中に放った。
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