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ミアーナたちよりも後に帰ってきた両親を、ギルバートは待っていた。
「父上、至急、お話があります。」
「なんだ?先に帰ったとは聞いていたが、何かあったのか?」
「ええ。ミアーナに。」
父は顔をしかめた。
ミアーナとあまり関わりを持ちたくないからだ。
母は先に部屋に戻っており、ギルバートは父を応接間に連れて行った。
「着替えて寝たいから早く話せ。」
「ミアーナが夜会の最中、ネヴィル殿下とその取り巻きから襲われました。」
「…………は?」
「ネヴィル殿下に純潔を散らされ、その後、殿下は三人の取り巻きにもミアーナの体を許したそうです。」
父は真っ青な顔色になって目を見開き、口を手で覆っていた。
「なぜだ!?なぜ、そんなことを。ミアーナは殿下の婚約者ではないかっ!!」
「ミアーナとの婚約を解消したいからですよ。『知らない男に襲われた』そう証言するようミアーナは脅されたそうです。」
父は深く息を吐きだした後、言った。
「ミアーナは修道院に向かわせる。本人もそれを望むだろう。」
「いえ、ミアーナは殿下たちに処罰を受けさせ、四人それぞれの家から慰謝料をもらうと言っています。」
父はまたまた目を見開いていた。
「何を、言ってる。そんなことをすれば、ミアーナが傷物だと晒すようなものだろうが。」
「殿下と婚約解消して修道院に行けば、同じことですよ。」
「だが、本人がいなければすぐに噂も収まる。それが家名を守ることにもなるんだ。」
「もし、殿下たちが嘘を言えば、その家名も傷つきますが?」
「嘘?」
「ええ。例えば、ミアーナが男を誘って不貞している現場を見たと殿下が被害者ぶれば?」
ミアーナ有責になる可能性もある。
「そんな、バカな。」
「ええ、そうです。被害者のこちらが非難を受けることになるかもしれません。」
父は考え込んでいた。
「そもそも、ミアーナが身を潜めるように暮らし、加害者の彼らが何の罰も受けないのは納得できません。ミアーナは立ち向かう気でいます。私は妹の味方になってやりたい。」
「ミアーナは、本気で立ち向かうつもりなのか?おとなしいあの子が?」
「……泣いていませんでした。むしろ、怒っていました。許さないと。」
まるで、人が変わったかのようだった。
「実は、ミアーナに記録水晶のピアスを付けさせていました。それに犯行が映っているはずです。」
「証拠はある、ということか。……だからなんだな。」
そうだ。
だから、泣き寝入りせずにミアーナは立ち向かうのだろう。
言い逃れができない証拠だから。
「だが、できればその記録水晶の証拠は公にはしたくない。ミアーナの望みは、奴らの処罰と慰謝料なんだな?」
「ええ。そう言っていました。」
修道院になど行かず、慰謝料を手にしてどこかに行くつもりなのかもしれない。
自分のことを誰も知らない場所へ。
それがいいかもしれないとギルバートは思った。
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