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そして体の傷が癒えたひと月後、国王陛下からの呼び出しを受けてミアーナは父と共に王城へと向かった。
母はミアーナが襲われたことを知った日からずっと、ネヴィルたちを訴えるのをやめて修道院に行けとうるさく、まともに話を聞いてくれようともしなかった。
今日も、母も共に立ち向かうべきところなのだが、味方になってくれないようなので置いてきたのだ。
「お母様はそんなに私が目障りなのでしょうか。」
以前は両親共にミアーナに関心がなかったようだが、父はミアーナの味方になって動いてくれた。
だが、母はミアーナを目にしたくないといった感じに思える。
「ハンナは、自分がなれなかった王子妃に選ばれたお前に嫉妬していたんだ。」
「お母様は王子妃になりたかったのですか?」
「王太子妃、王子妃、どちらも狙っていたようだ。どちらにも選ばれなくて私と結婚したがな。」
そう言って、父は失笑した。
今の国王陛下と、隣国に婿に行った一つ下の王子殿下。
侯爵令嬢だった母にも確かに可能性はあったのかもしれない。
しかし、性格の悪さを見抜かれて選ばれなかったのではないかという気がした。
「ハンナはお前が自分の上に立つのが嫌だったんだろうな。お前がネヴィル殿下の婚約者に選ばれるまではお前をそれなりに可愛がっていたんだ。記憶にないかもしれないが。」
ミアーナの記憶には母親に話しかけても無視される記憶しか残っていない。
それにしても、なんとも子供っぽい理由でミアーナを無視していたのかと呆れる思いだった。
父は母の機嫌を損ねないように、同調していたに違いない。
だから、兄がミアーナに構っていたのだろう。
ロングストン公爵家はそんな家族だったのだ。
「今更、お母様に振り向いてほしいなどとは思いません。ネヴィル殿下との結婚を機に屋敷を出るはずでしたが、この件が終わったらどこか別の場所で暮らそうと思っています。」
「それがいいだろうな。領地の屋敷に住むか?王都にいるよりかはマシだろう。私が引退してもハンナは領地には行かないだろうから。」
ネヴィルとの婚約破棄は確実であり、ミアーナはフリーになる。
しかし、婚約を申し込まれても純潔ではないから断るしかない。
そのこととあの四人の処罰に関係性を結び付けられてしまえば、ミアーナの身に起こったことが醜聞として広まってしまう。
いや、それを裏付ける証拠を目にするほうが先か。
王都を離れると気づかれないかもしれないが、隠して生きるつもりはない。
証拠とは、ミアーナは妊娠である。
生理は来ていない。
医師に診断してもらってはいないが、妊娠したとわかる。
やっぱり、異世界あるあるになった。
これはまだ父にも内緒だった。
「とりあえずは領地もいいですね。今日の話し合いの結果で考えてみます。」
話の流れによっては、この子のために王都で暮らすことになるから。
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