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僕は両親に、ライザを今でも愛していること、迎えにいきたいということを伝えた。
「何を言ってるの?あの女は不貞を働いたのよ。
孫が生まれたと喜んだら、お前の子じゃなかった。
あの時のショックがわかる?」
それはわかる。僕も驚いたのだから。
「あれは、ライザが悪いんじゃない。無理やり襲われたんだから。
それに、そのキッカケを作ったのが、僕の浮気なんだ。
母上、僕はあのままライザと一緒にいたかった。
なのに勝手にバリーから慰謝料をもらってライザを追い出した。
僕を地下に閉じ込めて……出た時、ライザは修道院に行っていた。
僕は、もっと大きな養子をもらって、早く跡を継がせて迎えに行きたかった。
なのに、勝手に決めた養子は幼児だった。
僕は、この10年、ライザを迎えに行くために過ごしてきたんだ。」
「……わかった。だが、あと3年。ウォーカーが学園を卒業するまでは我慢しろ。
それが親としてのお前の役目だ。
ライザをあの侯爵の目に届く場所には置けないから、王都には呼べない。
お前を飛ばしてウォーカーを跡継ぎにする。
お前はライザと領地のどこかで暮らせ。財産はやる。
この3年の間にライザを領地に引き取っても構わない。一人で暮らすことになるが。
お前が領地に行く機会に会うことは許そう。」
「あなた!」
「いいじゃないか。ヒューイットはライザが好きなんだ。
私もいろいろと勝手に決めて悪かったと思ってる。
子供だけ愛人の子として侯爵家に引き取らせればよかった。
そうしたら、ヒューイットにもライザとの子供が生まれていただろう。
侯爵とライザの家から慰謝料をもらい、縁を切った。
だが、政略結婚だからとヒューイットの浮気で婚約を解消しなかったのは私たちだ。
なのに、こっちの浮気を許してライザを許さなかったんだ。
ヒューイットと婚約していた10年も、結婚してからの1年弱も、ライザはいい子だった。
私たちも娘のように可愛がった。そうだろう?」
母は複雑そうだったが、昔のことを思い出したのか許すような表情になった。
「ありがとうございます。ライザにもすぐに手紙を書きます。」
「手紙?ずっと書いていたのか?」
「ええ。返事が来たことはありませんが。」
「そうなのか?どこの修道院にいるんだ?」
「それは知りません。侯爵夫人……アデライン夫人が送ってくれています。」
「バリーの妻か?……信用できるのか?どうして彼女を経由する必要がある?」
「それは……そう言えばそうですね。あの男に見つかる可能性が高くなる。」
「お前、今まで疑問に思わなかったのか?」
「彼女は……あの男からライザを逃がすために修道院に行かせたと言っていました。
寄付金も実家から用意してもらった、と。
穏やかに過ごせるはずだから、心配しなくていいと言ってくれたので。」
「それが事実であれば、素晴らしい女性だな。
夫の浮気相手の子供を引き取って育て、その母親を実家から金を出してもらって逃がす。
そんなことあるか?」
「……自分が侯爵と離婚しないため?
離婚して実家に帰されるよりも、お金でライザを遠ざけることを選んだのかしら?
自分のためかライザのためかわからないわね。」
「だがあの時、侯爵は子供を引き取ることはできてもどの道ライザを妻にはできなかった。
そんなことをすれば、大騒動になって、侯爵家は地に落ちる。
ライザを修道院に入れなくても妻にはできなかった。
それにライザは愛人にもならなかっただろう。」
「なら、どうしてアデライン夫人はライザを修道院に……家に籠るのでも十分だった。」
「ライザは家と絶縁したって聞いたことがあるわ。行き場がなかったんじゃない?」
「絶縁した?それとも絶縁された?いつだ?
ライザは、アデライン夫人が子供の引き取りに行くまで実家にいたんだよな。
修道院に行ったのは逃げるためだけじゃなくて絶縁されたからか?」
「絶縁されたからといってアデライン夫人の実家から寄付金をもらうのはいいのか?
あのライザがそれを良しとするか?
あり得ない。何か変だぞ?」
「……確かに。だけど、ライザの行き先はアデライン夫人が知っているはずだ。聞いてみる。」
どうして今まで疑問に思わなかった?どうして僕は誰にも相談しなかった?
やっぱり一人でグルグル考えていても、僕に正しい答えを導けることはないんだ。
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