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17.
屋敷のみんなに婚約解消できるように励ましを受けて、出発の前日になった。
昼食後、エリスに『カリンが昼寝をしたら部屋に来てほしい』そう伝えた。
エリスがザイールの部屋を訪れ、ザイールは決意表明のようにエリスに告げた。
「明日、王都に行くのは婚約解消をするためなんだ。
私はエリスが好きだ。帰って来たら、私と結婚してくれないか?」
「そんな…無理です。こんな身元不明で子持ちの女はザイール様に相応しくありません。」
「私は跡を継がない。弟に任せる。エリスとカリンのそばにいたいんだ。」
「ザイール様の人生を私が変えるわけにはいきません。ここから出ていきます。」
「ダメだ!例えエリスが出て行っても跡継ぎにはならない。私は君たちを追いかけて行く。」
「どうして……」
首を横に振り続けるエリスに聞いた。
「私はエリスが好きだ。ずっと一緒にいたい。エリスは私のことをどう思ってる?」
「私は……ザイール様が好きです。」
観念したように告白してくれたエリスを抱きしめた。
「ありがとう、エリス。婚約を解消してくるから待ってて。」
「……はい。」
「エリス?待っててくれるよね?絶対にいなくなってはいけないよ?」
「……ふふ。いますよ。」
「本当に?約束だよ?」
「ええ。ねぇ、ザイール様。
そんなに念を押されるなら、いなくならないように抱いてくれませんか?
それを、ここにいる証明にしたいのです。」
「……それは。」
「お願いします。私が自分がザイール様のものになると確かめたい。
ザイール様が戻られるまで不安に思いたくなくて。」
縋りつくように抱き着くエリスを離せなくなって、抱いてしまった。
もちろん、エリスは純潔であった。
カリンを産んではいないと思ってはいたけれど、ザイールが初めてで嬉しかった。
カリンが目覚める時間になる。そう言ってエリスは部屋を出た。
少しして屋敷が騒がしくなり、エリスがカリンと階段から落ちたと聞いた。
カリンは無傷、エリスは気絶していたが外傷は見当たらなかった。
部屋に運んだエリスの手を握って目覚めるのを待っていた。
夜になって気づいたエリスは、少しぶつけただけで大したことはないと言った。
安心して、ゆっくり休むように言い、明日は早朝に王都に行くからしばらく会えないと別れのキスをした。
そうしてザイールが王都で婚約解消の手続きに奮闘している間に、エリスの迎えが来て伯爵家へと戻ることになった。
びっくりしたけど、伯爵令嬢なら問題なく結婚できると思った。
エリスが跡継ぎなら、婿入りするとも両親に伝えた。
どうして出国したことになっていたのか、カーラは本当に流行り病で亡くなったのかを調べ始めた時に、エリスが妊娠しているという手紙が父に届いた。
相手はエリスの記憶にない。
時期的に階段から落ちた辺りで、その日の記憶がない。
相手はザイールなのではないか。
父に心当たりがあるかと聞かれ、もちろん自分の子だと答えた。
そして、求婚するために伯爵家を訪れた。
妊娠することになったあの日の経緯を話すと、君は思い出が欲しかったのだろう。出て行くつもりだったのではないかと言った。
私は忘れてくれてよかったなんて思いたくないけど、よかったと答えた。
それからはここで今後をどうするか話をしながら、過ごしていたんだ。
決まらないと国籍の問題があって入籍できなかった。
悪阻が軽くて気分が良くなった日、公園に行った帰りにあの元婚約者に襲われて、以前の記憶は戻ったけれども辺境で過ごした2年間の記憶とここで私と過ごした記憶を失った。というわけだ。
ちょっと待って?ツッコミたいけどツッコミ損ねたところが多すぎて……
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