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40.
ダイアナは、ダニエルに記憶が全て戻ったことを話した。
「そうか!それはよかった。何か思い出したくなかったことはあったのか?」
「いいえ、ダニエル様のおっしゃる通り、わたくし、あまり変わっておりませんでしたわね。
ですが、周りから見た自分を客観的に知って対応することができたお陰で、両陛下やジルベール様と距離を置くことができたのでしょう。いろいろとしがらみのあるわたくしではなかなかできないことでしたもの。」
ダイアナも、両親も、ジルベールとの婚約は解消になるだろうと卒業を待っていた。
国王陛下も、記憶が戻ればダイアナの意思を確認したいと言っていたが、ほぼ諦めてエトワール殿下と婚約者の侯爵令嬢に期待していた。
ダイアナでなければならない理由はない。
そのことに気づかせてくれた。
「それに、ダニエル様がわたくしに告白されると勘違いされていたことも、親しくなっていった過程も思い出すことができて嬉しいですわ。」
「勘違いしたことは、僕にとっては思い出してくれなくてもよかったと思うよ。」
少し恥ずかしそうなダニエルは、あの勘違いした時と同じに見えた。
親しくなっていったといっても、話の中身は堅苦しいことばかりで、周りから見れば恋仲になる要素はなかったように思える。
それでもやはり、真面目さや誠実さはわかるというもので、知識をさらけ出すダイアナを”女のくせに”と蔑むことなく話に付き合ってくれたというところも、ダイアナにとっては好感を持てるところだった。
ダニエルを意識し、求婚を受けることにしたダイアナの心情も思い出した。
記憶のないダイアナが築いてきたものを、記憶が戻ったダイアナは受け入れてくれるはずだと思っていたことも。
自分のことながら、自分をわかっていたのだと笑ってしまう。
「とてもすっきりしましたわ。ようやく自分を取り戻せた気がいたします。くよくよ悩まず前を向くのがわたくしですわ。これからはダニエル様と共に前に進んでいけること、とても楽しみにしています。」
二人で一緒に。
その言葉がとても嬉しかったことも思い出した。
ダイアナはダニエルと手を握り合い、半年後の結婚を待ち遠しく思った。
ダイアナは父に呼ばれて執務室に向かった。
「お父様、ダイアナです。」
「ああ。あの香について、その後の調査結果が出たから話しておこうと思う。」
どの程度、危険性があるのか、調べる必要があったその結果が出たらしい。
「結論から言うと、ほぼ、”気休め程度のまじない”ということらしい。」
「…………まじない?気休め?」
つまり、危険性は低いということ?
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