元兄嫁の妻と年上の未亡人と行き場のない愛人

しゃーりん

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デサントは牢に入れられた。 
 
マリアンナが私の子だということを愛人カトリーヌが話したからだ。
あの女は、それがカーマイン伯爵家を乗っ取ることになるという意識が薄かったために、目先の罪に問われない方を意識してしまったのだろう。

王太子殿下は全てを承知の上で来ていたようだったため、逃げられはしなかっただろうが。

何故、今頃になってマリアンナの素性がバレたのかはわからないが、ケビンが前伯爵を領地から連れ戻っていたことを考えると、領地で事実を知る事態になったということだろう。

都合よくルシオは死んでくれたものだと思っていたが、何かを残していたのかもしれない。 

だが今思うと、マリアンナだけ引き取って、カトリーヌは実家に戻すべきだった。 

カトリーヌは、彼女の母ローゼンヌの代わりにはなれない。
あんな性欲の強い女、ローゼンヌとは大違いだろう。
 


ローゼンヌは私の憧れの年上の女性だった。
しかし、三男の自分が手に入れることは難しかった。

彼女も私に淡い思いを抱いてくれていたはずだが、政略結婚しなければならなかったのだ。
それでも私は彼女を思い続けるつもりでいた。

彼女の近くで職を得ようか。
彼女の夫を近くで見張り、不貞をしたら教えてやろうか。

そう思っていたのに、兄が浮気相手に殺されてシェイラと結婚することを強いられた。

シェイラの腹の中の兄の子の父親になるために。
そして、自分との間にも子をもうけるために。

いつでも離婚できるようにと子作りの義務を果たし、シェイラはケビンを産んだ。
だが、ローゼンヌは子供を二人産んで離婚しそうになかったため、義父の『何でも言うことをきいてやる』に従ってシェイラを言いなりにさせてきた。

兄の子のルシオを可愛がり、自分の子のケビンを冷遇する。 
普通は逆だろうから、シェイラは戸惑っていたな。

だが、あの女は兄を愛していて私を愛していないのだから、それでいいだろう?


ローゼンヌに似たカトリーヌに近づいてみた。
カトリーヌは自分の境遇に悩んでおり、ちょっと優しくして誘えば簡単だった。

カトリーヌを抱きながら、ローゼンヌを抱いているつもりになっていた。

ルシオの嫁に、と閃いたのは、カトリーヌを利用してローゼンヌにもっと近づきたかったからだ。
ローゼンヌは傷物の娘と次期伯爵が結婚してくれるのかと非常に感謝していた。
そうして、ローゼンヌと親戚になれたのだ。
 
もう少し、と欲張ったのがいけなかったのだろう。

何年も従わせてきたシェイラやルシオと違って、ケビンは言いなりになるような息子ではないとわかっていたのにカトリーヌと結婚させたことがやはり間違いで、こんな結果になってしまった。


マリアンナを伯爵にできたら自分の勝ちのような気がしていた。

結婚を強いた両親に、カーマイン前伯爵夫妻に、シェイラに、兄に、ルシオに、ケビンに、そしてローゼンヌに。
 
私は誰に認めてもらいたかったのだろうか。
 

 
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