傷物扱いされていても私はあなたと結婚したい

しゃーりん

文字の大きさ
1 / 9

1.

しおりを挟む
 
 
アニオン王国の公爵令嬢であるユラは、一年間だけ隣国キャロル王国に留学に来た。 
自国で嫌なことがあり、逃亡したのである。

伯母がこの国の王妃で、王宮に部屋を貰って学園に通っていた。
留学も半年が過ぎ、この国にも慣れてきていた。


学園がお休みで許可された庭園を歩いていた時、侍女に声をかけられた。

「ユラ様、王太子殿下がお呼びです。ご案内いたします。」

「そう、よろしくね。あ、でも侍女のミミがここに戻ってくるの。」

ユラ付の侍女ミミが日傘を取りに行ったところだった。

「ミミには会いましたので伝えました。部屋で待っているそうです。」

「そうなの?わかったわ。」

ミミならすぐに戻って付いてきそうなのに。
侍女の案内で進むと、王城の端の資料室近くの応接室だった。
まだ王太子は来ていない。
侍女はソファに座ったユラに紅茶を入れて、扉を開けて言った。

「王太子殿下は間もなく来られると思います。お茶を飲んでお待ちください。」

「わかったわ。ありがとう。」

ミミがいないので部屋に一人になった。さっきの侍女にいてもらえばよかった。
そう思いながら紅茶を飲む。少し変わった味。どこの産地?と思いながらコクコクと飲んだ。
…あれ?体が熱い。何か変?
手が震えて来て、持っていたカップがソーサーの上に落ちてガシャンと響く。
すると、扉がノックされた後、開いた。

「何かありましたか?音がしましたが…」

真っ赤になって震えるユラをみた男が慌てて駆け寄ってきた。

「大丈夫ですか?何があったのです?」

「…紅茶…に…何か…」

「…失礼しますね。」

男がユラに触れると、ユラは敏感に反応し甘い吐息を吐く。

「…おそらく媚薬ですね。立てますか?」

ユラは首を横に振った。
仕方なく男が抱えようとしたが、触れられるのが辛くて首を横に振った。

「…ダメ……今は触らないで?」

ユラの言葉に男は手をグッと握る。

「医者を呼んできます。」

そう言って扉に向かったが、廊下で揉めてる声がした。

(ちょっと来るのが遅いわよ)
(持ち場の交代にもたついたんだ。で?俺たちに犯して欲しい女はどこだ?)
(それが…さっき誰か部屋に入っちゃったの。出てきてないし)
(そいつが今出てきたらヤバいじゃん)
(なら、扉が開かないようにして)
(じゃあこれで…)カタカタ…

しまった!扉を動かすが開かない。

(気づかれた!逃げろ!)

「くそっ!」

扉は開かない。窓もない。医者を呼べない。どうすればいい?
誰か気づいても部屋に二人きりで彼女は媚薬に冒されている。疑われるな…

「すまない。閉じ込められたようです。」

男はユラを見ないようにしていたが、ユラの熱い吐息が聞こえていてチラッと見た。
目が合ったユラは男に言った。

「助けて……おかしく…なる。」

「…触れることになりますが?」

「どうしたら…治まるの?」

「おそらく…性的な快感を感じて満足すれば…」

「お願い…我慢…できない…助けて…触れて?」

ユラの言葉に男の葛藤が理性から欲望を孕んだ感情の方へと振れた。
男はユラをソファの上で後ろから抱きしめる。
その刺激でユラは甘く喘ぐ。

「あ…んん…」

男は首筋に口づけながら、後ろのボタンを外し下着もずらして胸を直接触る。
男の指が両乳首をつまむと、ユラはさらに甘い声をあげた。

「あん。…もっと…」

スカートの裾から手が入り、脚を撫でながら秘部に辿り着く。
下着の上からでも濡れているのがわかると、少しずらして指で触れた。

「んん…ああ…あ…そこ…もっと…ああっ」

「気持ちいい?」

男の声が耳元で聞こえ、ユラは頷きながら強請った。

「中が…熱いの。…何とかして?」

「じゃあ、指、入れるよ?」

何度もユラは頷いた。
そして、指が一本入り頭の後ろを男の肩に乗せて喘ぐ。
ふと視線を感じて後ろを見上げると、こめかみに口づけされた。
すると、ユラは中の指を締め付けてしまった。


 

 



 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

『スキルなし』だからと婚約を破棄されましたので、あなたに差し上げたスキルは返してもらいます

七辻ゆゆ
恋愛
「アナエル! 君との婚約を破棄する。もともと我々の婚約には疑問があった。王太子でありスキル『完全結界』を持つこの私が、スキルを持たない君を妻にするなどあり得ないことだ」 「では、そのスキルはお返し頂きます」  殿下の持つスキル『完全結界』は、もともとわたくしが差し上げたものです。いつも、信じてくださいませんでしたね。 (※別の場所で公開していた話を手直ししています)

嘘をありがとう

七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」 おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。 「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」 妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。 「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····

藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」 ……これは一体、どういう事でしょう? いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。 ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した…… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全6話で完結になります。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

処理中です...