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しおりを挟むブルーム様の呼び出しには応じない。
そう思っていたんだけど、次の機会は前もって誘いがあった。
昼間の観劇のチケットを4枚持った方がいて、その方とブルーム様、そして私たち姉妹の4人で行くことになったという。
チケットを持った方がどなたかはわからないけど、男性のはず。
ひょっとすると、私の婚約者候補の方なのかも?
姉に相談すると、確かにその可能性もあるので可愛くして行こうねって嬉しそうだった。
本当に姉には申し訳ない。やっぱりデートしたかったわよね。
私の婚約者探しのために婚約者同士の時間が潰されるなんて、怒ってもいいのに姉はいつも優しい。
もう絶対に邪魔はしないわ。私がしたくて邪魔したわけじゃないけど。
婚約者も自分で探した方が早いと思うもの。
大好きな姉には幸せになってほしいから。…相手がブルーム様っていうのが不安要素なんだけどね。
週末、迎えに来てくれたブルーム様と一緒に現れたのは…え?第二王子殿下?
第二王子であるアンドレ殿下はブルーム様と同じ年で仲が良いとは聞いたことがあった。
アンドレ第二王子殿下には一つ年上の婚約者がいた。半年ほど前まで。
元婚約者の令嬢は才女で、学園に入学した年に三年間の勉強を終え、二年生からは隣国にある専門ごとに学べる学校へ編入し、二年後に戻ってくる予定であった。
しかし、研究が途中だからと半年延長し、結局勉強を続けることを望んだため婚約解消となった。
まさか、アンドレ第二王子殿下を紹介する気?
いえ、違うわね?そんなつもりではなさそうね。よかった。
姉は顔見知りらしい。そうよね。学園でブルーム様と一緒にいる方なんだから何度も会うわよね。
「ごきげんよう、アンドレ殿下。殿下から頂いたチケットとは知りませんでしたわ。」
「やあ、ミーガン嬢。貰って困っていたところだったんだ。共に行けて嬉しいよ。
で、こちらが自慢の妹さんかな?」
「ええ。リュゼットと言います。殿下たちと入れ違いに今年学園に入学しますの。」
姉に促されたので挨拶をする。
「初めまして、第二王子殿下。リュゼットと申します。」
「よろしくね。リュゼット嬢。アンドレでいいよ。」
「はい。アンドレ殿下。よろしくお願いいたします。」
「君たちが可愛いと絶賛するから会うのが楽しみだったんだけど、本当に可愛いね。
リュゼット嬢が妹だったら過保護にしたくなる気持ちがわかる。」
いや、これ以上、兄はもういらない。というか、やっぱり妹枠よね、殿下にとっては。
王子妃なんて私には無理だから、狙ってると誤解されないように距離を適切に保たないと。
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