侯爵の愛人だったと誤解された私の結婚は2か月で終わりました

しゃーりん

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いつまで実家にいられるだろうか。

兄の仕事の手伝いはしているけれど給金が貰えるわけでもなく、代わりに衣食住は世話になっている状態。

侍女の仕事はもう無理で、家庭教師としても無理だろう。

では平民のように街で働けるかと言われれば、それも難しく思える。


このまま父が後妻の縁談を探してくるのを待つしかないのか。


そんなことを考えながら廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。


「アリーズ、何を考えているのか知らないが、ぶつかりそうだぞ?」

「え……?あ……」


1m先にアリーズの背丈と変わらない大きな花瓶があった。昔からあるちょっと、かなり、邪魔な花瓶。
価値があるのかないのかも不明。邪魔なのにここから動かさないのよねぇ。

と、思わず花瓶を睨んでしまった。


「スレイバー様、教えてくれてありがとう。」 


彼はアリーズが子供の頃からこのフライ子爵家で働いている人。
元々はどこかの男爵家の次男だったはず。
子供だったアリーズと遊んでくれたこともあった。


「子爵が後妻を探しているようだけど?」 

「私を後妻にしてくれる人を探しているってことよね?父の後妻じゃないわよね?」


母はアリーズが5歳の時に亡くなった。
父は再婚することはなかったけれど、今になって後妻が欲しいとは言わないよね?
娘を嫁がせる年寄りを探しているうちに、自分も若い嫁が欲しくなったなんてことは…… 
 

「あぁ、ごめん。アリーズの嫁ぎ先だ。子爵は金のかかる嫁はいらないと言っている。」


フライ子爵家に借金があるわけではない。
だけど、父は守銭奴というか、金が好きだからケチでもある。


「噂の悪女を金を払ってまで妻にしたい貴族がいると思う?」

「まぁ、妖艶な美女なら可能性があったかもしれないが、なぁ。」


わかっていますよ。どこからどう見ても平々凡々だということは。


「俺の嫁になるか?好色ジジイよりもマシだろ?」

「……なれるものならなりたいわ。だけど、何の得にもならない結婚を父が認めるはずないもの。」


スレイバー様と結婚しても貴族同士の結婚だけど継ぐ爵位がないために平民になるのと同じ。

父が許すはずがない。

ちなみに、14歳年上のスレイバー様はアリーズの初恋だった。


「何の得にもならない、かぁ。厳しいなぁ。」

「ごめんなさい、ひどいこと言って。」

「言うだけ言ってみないか?」 
 
「お父様に?だけど、……」


娘を誑かしたとか言ってスレイバー様を責めるかもしれない。そうなれば彼は職を失うかも?
 
アリーズへの同情でそんな危険を冒させるわけにはいかない。

そう思って首を横に振ろうとしたところ、父に声をかけられた。

 
「あぁ、アリーズ。ちょうどお前を呼ぼうと思っていたところだ。喜べ。縁談の話が来たぞ。」

 
アリーズはスレイバー様と顔を見合わせて驚いた。
 



 
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