愛する人は一人だけと誓ったのに、その愛はどんどん冷めていくことに……

しゃーりん

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目が覚めると、腕の中にシェリーナがいた。

そうだった。あまりに夢中になってしつこいくらいシェリーナの中にいた。
最後、意識を飛ばした彼女を抱きしめてそのまま眠ったんだった。


「ん……え?」

「おはよう、シェリーナ。」

「……おはようございます。こちらでお休みに?」

「ああ。せっかくだから朝食も食べて行くかな。」


体を起こした私に、シェリーナも裸を隠しながら体を起こした。 
しかし、ガウンを渡してやってもそのままだ。

 
「どうした?」

「……侍女を呼んでいただけますか?シャワーをしたくて。」

「ああ、もちろん。連れて行こうか?」


顔を赤くして目がキョロキョロとさまよっている。


「どうしたんだ?」

「……中から流れ出てしまって、動けないというか……」

「……ああ、昨日のはちょっと多かったかもしれない。運ぶよ。」


シェリーナを抱き上げて、浴室まで連れて行った。
一緒に入ろうかと思ったが、シェリーナに追い出されてしまった。
仕方がないので、二人分の朝食を侍女に頼んだ。

シェリーナの後にシャワーを浴び、用意された着替えを手に取る。
ここに泊まると言ってはいないが、どうやら侍従が持ってきたらしい。
あと4日ともここに泊まることにしよう。


シェリーナの着替えも終わり、二人で初めて食事を共にした。
明日からも同様に4日間は泊まると言うと、シェリーナが何か言いたそうにした。


「迷惑か?」

「いえ、そうではなく……朝食をご一緒されなくても大丈夫なのかと。」

「ああ、レイチェルとか。ここに来る5日間は顔を合わせることはない。そう決めてる。」

「そうでしたか。でしたらお望みのままに。」


二人の間でレイチェルの名が出てきたのはこれが初めてだった。


執務に向かうアリオスは、やはり別れ際にシェリーナにキスをする。
しかしいつもの軽いものではなく、少し深いものだった。
 

「また夜に続きを。」


侍女の前だというのに、朝から性的なことを匂わせるキスをしてアリオスは仕事に向かった。

残されたシェリーナと侍女は苦笑い。


「王太子殿下は少し変わられましたね。ここにおられる時の表情が柔らかくなりました。」

「そうね。気を楽に過ごしていただけているのなら嬉しいわ。」

 
レイチェルから罵声を浴びせられたいうのが昨日の朝。
側妃のもとに通った翌朝に顔を合わせると、また責められるか泣かれるかなのだろう。
5日間、顔を合わせないと言ったアリオスは少し投げやりでもあり、嬉しそうでもあった。

レイチェルのアリオスへの気持ちは熱く、重い。
アリオスのレイチェルへの気持ちは前と同じではないだろう。
それをレイチェルは敏感に察知している。
 
アリオスが『真実』を知る前に、レイチェルが自ら墓穴を掘ってくれてもいいのだけれどもね?

きっかけがあれば、アリオスは簡単に『真実』に辿り着ける。
それくらい、レイチェルは証言者を国に置いたままなのだから。
正直言って、かなりお粗末な元王女様。
結婚前にちゃんと隣国での素行調査をしなかった国王や大臣、そしてアリオスの失態でもある。 

 
 
  

 

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