11 / 20
11.
レイチェルと顔を合わせなくて済むこの5日間は、息が楽に感じる。
ラーズが結果を持って帰ってくるまではいつも通り過ごさなければならないが、平然とレイチェルに接するには時間が欲しかったからだ。
シェリーナの側は居心地がいい。
いつの間にか、彼女に気を許してしまった自分の身勝手さに笑える。
王太子としてではなく、一人の男になれる。
周りに誰がいようが、キスしたいと思えばするし、抱きしめたいと思えば抱きしめる。
今思えば、レイチェルとは何故かそれができない。
「シェリーナ、シェリー、気持ちいいか?」
中でイけたのは3日目だった。
快感から逃げようとするシェリーナの体を固定し、同じ早さで突き揺さぶると、未知の快感を恐れていたシェリーナは一気に高みに押し上げられ、腰を跳ね上げるようにしてイった。
汗が吹き出し、呆然と荒い呼吸をするシェリーナが愛しくなった。
そう思うと、もうダメだった。
一緒に果てたモノが再び大きくなり、シェリーナを可愛がりたくて仕方なかった。
「あ……んん……アリオス、様。また、イきそう。」
「ああ。一緒にイこうな。」
大きく中を擦り、シェリーナが達した締め付けで中に放った。
体を綺麗にして、シェリーナを抱きしめて5日目の夜を過ごす。
「シェリーナは兄がいるよな。仲はいいのか?」
「そうですね、いいと思います。私がここに来る少し前に甥が産まれて。
フリードの従兄弟ですね。似ているかもしれません。」
「従兄弟か。姉の子にもしばらく会っていないな。フリードと似てるだろうか。」
「どうでしょうね。私は自分と似ていない従姉に子供の頃から憧れていました。」
「似ていないのか?シェリーナは可愛いから、従姉は美人か?」
「そうですね。そう思いませんでしたか?アリオス様は。」
「ん?私がよく知っている女性か?」
「何を言っているのです?ドレディア姉様ですよ?」
思わぬ名前に驚き、腕の中のシェリーナをジッと見る。
そうだ。シェリーナの父がドレディアの母の弟か。
「すまない。そうだったな。……ドレディアの様子はどうだ?」
「数年前から落ち着いています。今は孤児院の子供たちに勉強を教えています。」
「そうか。……私は側妃の選定に関わらなかった。
今、思うと将来の国王になるかもしれない子を産んでもらう女性に対して失礼だった。
君が選ばれたのはドレディアの従妹ということも大きいのだろうな。」
「ええ。姉様の代わりにこの国にとって正しい跡継ぎを産む、それが使命です。」
正しい跡継ぎ、使命。そう言ったシェリーナの目を見て、悟った。
万が一、レイチェルに子ができたとしても跡継ぎとして認めないという意思を。
側妃の派閥は、もうシェリーナが産む子が跡継ぎと決めているのだということを。
シェリーナの公爵家とドレディアの侯爵家は何かを掴んでいるのか。
「……今、レイチェルの元婚約者に婚約破棄の経緯とレイチェルの交友関係を聞きに行っている。」
「ようやくですか。」
呆れたような嬉しさを込めた言葉が返ってきた。
やはり、レイチェルを認めない理由があったのだろう。
彼女たちがいつ調査をしたのかはわからないが、少なくともシェリーナが側妃になる前であることは間違いない。
では何故、私に話さなかったのだろうか。それが疑問だ。
あなたにおすすめの小説
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
初恋のひとに告白を言いふらされて学園中の笑い者にされましたが、大人のつまはじきの方が遥かに恐ろしいことを彼が教えてくれました
3333(トリささみ)
恋愛
「あなたのことが、あの時からずっと好きでした。よろしければわたくしと、お付き合いしていただけませんか?」
男爵令嬢だが何不自由なく平和に暮らしていたアリサの日常は、その告白により崩れ去った。
初恋の相手であるレオナルドは、彼女の告白を陰湿になじるだけでなく、通っていた貴族学園に言いふらした。
その結果、全校生徒の笑い者にされたアリサは悲嘆し、絶望の底に突き落とされた。
しかしそれからすぐ『本物のつまはじき』を知ることになる。
社会的な孤立をメインに書いているので読む人によっては抵抗があるかもしれません。
一人称視点と三人称視点が交じっていて読みにくいところがあります。
【完結】愛されていた。手遅れな程に・・・
月白ヤトヒコ
恋愛
婚約してから長年彼女に酷い態度を取り続けていた。
けれどある日、婚約者の魅力に気付いてから、俺は心を入れ替えた。
謝罪をし、婚約者への態度を改めると誓った。そんな俺に婚約者は怒るでもなく、
「ああ……こんな日が来るだなんてっ……」
謝罪を受け入れた後、涙を浮かべて喜んでくれた。
それからは婚約者を溺愛し、順調に交際を重ね――――
昨日、式を挙げた。
なのに・・・妻は昨夜。夫婦の寝室に来なかった。
初夜をすっぽかした妻の許へ向かうと、
「王太子殿下と寝所を共にするだなんておぞましい」
という声が聞こえた。
やはり、妻は婚約者時代のことを許してはいなかったのだと思ったが・・・
「殿下のことを愛していますわ」と言った口で、「殿下と夫婦になるのは無理です」と言う。
なぜだと問い質す俺に、彼女は笑顔で答えてとどめを刺した。
愛されていた。手遅れな程に・・・という、後悔する王太子の話。
シリアス……に見せ掛けて、後半は多分コメディー。
設定はふわっと。
どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。
無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。
彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。
ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。
居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。
こんな旦那様、いりません!
誰か、私の旦那様を貰って下さい……。
完結 私の人生に貴方は要らなくなった
音爽(ネソウ)
恋愛
同棲して3年が過ぎた。
女は将来に悩む、だが男は答えを出さないまま……
身を固める話になると毎回と聞こえない振りをする、そして傷つく彼女を見て男は満足そうに笑うのだ。
【完結】私よりも、病気(睡眠不足)になった幼馴染のことを大事にしている旦那が、嘘をついてまで居候させたいと言い出してきた件
よどら文鳥
恋愛
※あらすじにややネタバレ含みます
「ジューリア。そろそろ我が家にも執事が必要だと思うんだが」
旦那のダルムはそのように言っているが、本当の目的は執事を雇いたいわけではなかった。
彼の幼馴染のフェンフェンを家に招き入れたかっただけだったのだ。
しかし、ダルムのズル賢い喋りによって、『幼馴染は病気にかかってしまい助けてあげたい』という意味で捉えてしまう。
フェンフェンが家にやってきた時は確かに顔色が悪くてすぐにでも倒れそうな状態だった。
だが、彼女がこのような状況になってしまっていたのは理由があって……。
私は全てを知ったので、ダメな旦那とついに離婚をしたいと思うようになってしまった。
さて……誰に相談したら良いだろうか。