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11.剣神と呼ばれる男
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ギルドに報告に来ていた。
「Eランクダンジョン、クリアしました!」
「凄い! 順調ね! 配信見たわよぉ? なんだか、反響が凄いわね」
「はい! 頑張ったかいがあります!」
「賢人くんはすでにEランクだけど、収斗くんと、猛くん、奈々ちゃんは探索者ランクがEランクにあがるわ!」
「「「おぉー」」」
「ふふっ。良かったわね。なんだか、みんなスキルランクは高いのに色々と苦労していたものね」
「でも、皆で集まったらなんだか凄くいい感じです!」
そう思っているのは僕だけじゃないだろう。
みんなが上手く回ってる感じがすると感じていると思うんだけど。
「そうですね。全て収斗のおかげです!」
そう言われるとなんだか照れくさいのだけど。
みんなが噛み合っているだけ。
僕だけじゃなにもできないから。
「僕は一人じゃ何も出来ないから……」
「そう悲観的になるなよ! 収斗のスキルは一人でも十分すぎるほど使えるだろ!?」
「そうっすよ! そんなこと言ったら、自分は収斗さんが居ないと動かない盾なんですから!」
「私も一人じゃ難しいわ! 皆がいないと!」
こんなに励ましてくれて嬉しいな。
今まで一人で荷物持ちしていた時はこんなこと考えられなかった。
「みんな、ありがとう!」
皆が笑みをこぼして頷いてくれた。
僕はなんていい仲間に出会えたんだろう。
そう思って感謝していたら、一人の壮年の男性探索者が近づいてきた。
「よう。ボンクラ息子。少しはマシになったみたいだな?」
ん?
だれだろう? この人。
「あんた!? なんでここに!?」
「そりゃ新幹線ですぐ着くからよ。配信見て飛んできたわけよ」
「何しにきやがったんだよ!?」
「クックックッ。何しにって少しはやるようになったんだったら、俺の凄さもわかるだろうと思ってよ?」
「なにぃ!?」
オジサンと賢人が言い争いを始めちゃったけど。
「あれっ!? 自分の思い違いじゃなかったら、【剣神】の仁さんじゃないっすか!? 探索者個人ランキングトップランカーの!?」
「おぉ。知ってる奴がいたか。で、コイツは俺のボンクラ息子ってわけだ」
「もうあんたの息子じゃねぇだろ? 母さんと別れたんだから! あんたが母さんと俺を見捨てたんだろ!? だったら、俺に関わるな!」
「おうおう。ボンクラが吠えちゃって恐い恐い」
「なにぃ? クズヤローがぁ」
珍しく賢人が怒りをあらわにしている。
でも、これは放ってはおけないよね。
「まぁまぁ。賢人。落ち着いて。お父さんにも何か理由があるんじゃないの?」
その言葉で仁の目は懐かしむような目になった。
◇◆◇
その頃俺は賢人の事で悩んでいた。
「なんで僕はお父さんのように剣術が使えないの? スキルは一緒なのに!?」
そう。
俺と賢人は二人ともスキルが剣聖だった。
しかし、違うのは俺のスキルは剣術スキルが成長して剣聖になった。だが、賢人は最初から剣聖のスキルを持っていた。
俺が剣術をいくら賢人に教えてやってもスキルの技として覚えなかったのだ。
それが問題だった。
賢人は周りから剣聖の子供でスキルが既に剣聖だから神童だと祭り上げられ。
剣術を見せて欲しいなどと言って賢人に剣を振らせようとした。
そして、技が発動しないことを知ると、あろう事か罵倒し始めたのだ。
やれ、偽物だ。
やれ、詐欺だ。
何が剣聖だ。
何故そんなに俺の息子が言われなければならないのか。
考えた末に行き着いたのは。
俺の子だからだということ。
俺の子じゃなければいい。
妻の由梨には別れた方が賢人が幸せだと告げた。
最初は反対していた。
だが、時間をかけて説得した。
賢人は探索者として経験を積めばもしかしたら何かが開花するかもしれない。
だから、突き放そう。
由梨とそう決めた。
別れる時も、その後もわざと「ボンクラ息子」と呼ぶようにした。
そうすると、不思議と周りは何も言わなくなったのだ。
本当にボンクラだもんな。
やれやれ、仁さんも大変だね。
世話がやける子供で。
俺は荒れに荒れた。
怒りのぶつける場所がなかった。
だから、ひたすら剣を振り続けた。
ある日から剣神と呼ばれだした。
俺は気づいたらトップランカーになっていた。
すると、嬉しい事があった。
賢人が仲間を得て配信しているではないか。
しかも、見ればスキル技を発動できている。
会ってみて確信した。
青い髪の小さなこの子だ。
賢人を救い出してくれたのは。
賢人には謝らなければ行けないが。
それは後だ。
どうやってスキル技として発動できたのか。
それを聞いて俺に出来ることがあれば、してやるんだ。
それが今の俺、【剣神】にできることだ。
◇◆◇
「よぉ。ボンクラ息子がどうやってスキル技を発動できたんだぁ?」
「お前には関係ないだろうが!」
賢人はそういうけど。
僕には本当に知りたそうに感じたんだよね。
「スキル技の予備動作ですよ。それをする事で、スキル技を放つと世界に認識されるみたいなんです」
仁さんは目を見開いて驚いていた。
そんなに驚くことかな?
なんか顔を覆ってるし。
大丈夫かな?
「大丈夫ですか?」
僕は心配になって声をかけてみた。
「そんなことだったなんて。なんで考えつかなかったんだ。俺は……馬鹿だ」
「お父さん?」
「そうかよ! それじゃあ、どこまでできるようになったか、戦って実力を見てやる!」
なんだかブツブツ言っているのが聞こえたような気がしたけど。
やっぱりなんかあるみたいだね。
「あぁ!? 上等だ! やってやらぁ!」
賢人は仁さんとの決闘に挑むみたい。
しかも、配信するらしい。
「Eランクダンジョン、クリアしました!」
「凄い! 順調ね! 配信見たわよぉ? なんだか、反響が凄いわね」
「はい! 頑張ったかいがあります!」
「賢人くんはすでにEランクだけど、収斗くんと、猛くん、奈々ちゃんは探索者ランクがEランクにあがるわ!」
「「「おぉー」」」
「ふふっ。良かったわね。なんだか、みんなスキルランクは高いのに色々と苦労していたものね」
「でも、皆で集まったらなんだか凄くいい感じです!」
そう思っているのは僕だけじゃないだろう。
みんなが上手く回ってる感じがすると感じていると思うんだけど。
「そうですね。全て収斗のおかげです!」
そう言われるとなんだか照れくさいのだけど。
みんなが噛み合っているだけ。
僕だけじゃなにもできないから。
「僕は一人じゃ何も出来ないから……」
「そう悲観的になるなよ! 収斗のスキルは一人でも十分すぎるほど使えるだろ!?」
「そうっすよ! そんなこと言ったら、自分は収斗さんが居ないと動かない盾なんですから!」
「私も一人じゃ難しいわ! 皆がいないと!」
こんなに励ましてくれて嬉しいな。
今まで一人で荷物持ちしていた時はこんなこと考えられなかった。
「みんな、ありがとう!」
皆が笑みをこぼして頷いてくれた。
僕はなんていい仲間に出会えたんだろう。
そう思って感謝していたら、一人の壮年の男性探索者が近づいてきた。
「よう。ボンクラ息子。少しはマシになったみたいだな?」
ん?
だれだろう? この人。
「あんた!? なんでここに!?」
「そりゃ新幹線ですぐ着くからよ。配信見て飛んできたわけよ」
「何しにきやがったんだよ!?」
「クックックッ。何しにって少しはやるようになったんだったら、俺の凄さもわかるだろうと思ってよ?」
「なにぃ!?」
オジサンと賢人が言い争いを始めちゃったけど。
「あれっ!? 自分の思い違いじゃなかったら、【剣神】の仁さんじゃないっすか!? 探索者個人ランキングトップランカーの!?」
「おぉ。知ってる奴がいたか。で、コイツは俺のボンクラ息子ってわけだ」
「もうあんたの息子じゃねぇだろ? 母さんと別れたんだから! あんたが母さんと俺を見捨てたんだろ!? だったら、俺に関わるな!」
「おうおう。ボンクラが吠えちゃって恐い恐い」
「なにぃ? クズヤローがぁ」
珍しく賢人が怒りをあらわにしている。
でも、これは放ってはおけないよね。
「まぁまぁ。賢人。落ち着いて。お父さんにも何か理由があるんじゃないの?」
その言葉で仁の目は懐かしむような目になった。
◇◆◇
その頃俺は賢人の事で悩んでいた。
「なんで僕はお父さんのように剣術が使えないの? スキルは一緒なのに!?」
そう。
俺と賢人は二人ともスキルが剣聖だった。
しかし、違うのは俺のスキルは剣術スキルが成長して剣聖になった。だが、賢人は最初から剣聖のスキルを持っていた。
俺が剣術をいくら賢人に教えてやってもスキルの技として覚えなかったのだ。
それが問題だった。
賢人は周りから剣聖の子供でスキルが既に剣聖だから神童だと祭り上げられ。
剣術を見せて欲しいなどと言って賢人に剣を振らせようとした。
そして、技が発動しないことを知ると、あろう事か罵倒し始めたのだ。
やれ、偽物だ。
やれ、詐欺だ。
何が剣聖だ。
何故そんなに俺の息子が言われなければならないのか。
考えた末に行き着いたのは。
俺の子だからだということ。
俺の子じゃなければいい。
妻の由梨には別れた方が賢人が幸せだと告げた。
最初は反対していた。
だが、時間をかけて説得した。
賢人は探索者として経験を積めばもしかしたら何かが開花するかもしれない。
だから、突き放そう。
由梨とそう決めた。
別れる時も、その後もわざと「ボンクラ息子」と呼ぶようにした。
そうすると、不思議と周りは何も言わなくなったのだ。
本当にボンクラだもんな。
やれやれ、仁さんも大変だね。
世話がやける子供で。
俺は荒れに荒れた。
怒りのぶつける場所がなかった。
だから、ひたすら剣を振り続けた。
ある日から剣神と呼ばれだした。
俺は気づいたらトップランカーになっていた。
すると、嬉しい事があった。
賢人が仲間を得て配信しているではないか。
しかも、見ればスキル技を発動できている。
会ってみて確信した。
青い髪の小さなこの子だ。
賢人を救い出してくれたのは。
賢人には謝らなければ行けないが。
それは後だ。
どうやってスキル技として発動できたのか。
それを聞いて俺に出来ることがあれば、してやるんだ。
それが今の俺、【剣神】にできることだ。
◇◆◇
「よぉ。ボンクラ息子がどうやってスキル技を発動できたんだぁ?」
「お前には関係ないだろうが!」
賢人はそういうけど。
僕には本当に知りたそうに感じたんだよね。
「スキル技の予備動作ですよ。それをする事で、スキル技を放つと世界に認識されるみたいなんです」
仁さんは目を見開いて驚いていた。
そんなに驚くことかな?
なんか顔を覆ってるし。
大丈夫かな?
「大丈夫ですか?」
僕は心配になって声をかけてみた。
「そんなことだったなんて。なんで考えつかなかったんだ。俺は……馬鹿だ」
「お父さん?」
「そうかよ! それじゃあ、どこまでできるようになったか、戦って実力を見てやる!」
なんだかブツブツ言っているのが聞こえたような気がしたけど。
やっぱりなんかあるみたいだね。
「あぁ!? 上等だ! やってやらぁ!」
賢人は仁さんとの決闘に挑むみたい。
しかも、配信するらしい。
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