疼きの原因が親友な訳

itti(イッチ)

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思考が止まるゼ

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 その日、担任から鍵を渡され、屋上の掃除を任された俺たちは、最後の御奉公として、普段立ち入らない場所をせっせと掃いていた。

クラスの女子が三人と、男子は俺ともう一人。

嫌な事に、さっき喧嘩したあの女もいて・・・
出来るだけ離れて掃いていたのに、
「あ~あ。男の嫉妬って醜いよね~。」と、俺たちに聞こえる様に話す。

「・・・オイ、なんか言ってるぞ。」
もう一人の男、戸田君が俺に言う。
多分、さっきの喧嘩を知っての事だろう。俺を見る目に焦りの色が・・・

「関係ないし。言わせとけ。」 

俺は、黙々と地面を掃いた。心の中では、煮えくり返っていたが、あんな事で腹をたてた自分も情けない。
アタルの事は、もう考えるのやめよう。その方がいい。


きゃーきゃー煩い女子どもを横目に見ながら、「終わったんなら鍵を返しに行くから。」と言う。

「あ、有難う、アタシたち先に帰るね。」
それだけ言うと、さっさとホウキを持って降りて行く。

「戸田も、先に帰っていいよ。俺は、もう少しここで景色でも見てるから。」
「・・・え、いいの?じゃあ、宜しくね。」
「うん」



誰も居なくなって、屋上のフェンス越しに校庭を見る。

三年になって部活も終わり、塾へ通い出した俺たちは・・・

...ヤメ、ヤメッと、...アタルの事は、考えないって決めたのに。
すぐに頭をよぎるんだ。いっつも、俺の右隣にはアタルが居たから...

フェンスを掴む手にグッと力が入ったが、しばらくすると虚しくなって離した。

その時、鉄の扉が開く音が聞こえて、振り返ればドアを支えて立つアタルの姿があった。

「勇人、一緒に帰ろうよ。」
ニコリと笑って言われて。

「.....」
俺は、言葉が出ない。

「どうした?」
ドアから離れて近づいて来ると、顔を覗き込むから、俺は目を伏せた。


頭の芯が震えて、鼻の奥が痛くなって、目頭がじんじんしてくると、涙が出そうになる。
 

 「...勇人さ、...鈍いんだよね。」

「え?」
突然、鈍いとか言われて、思わずアタルの顔を睨んだ。
一緒に帰ろうと、待っていてくれたのは嬉しい。でも、ヤッパリ俺をバカにしてるんだ。

「失礼なヤツ。お前、俺になら何しても何を言っても許されるって思ってるだろ‼」
腹が立って言ってやった。

「そんな事、....そう思ってたら黙って東京なんかいかないよ。言えない事が有るから...」

「なんだよ、まだ俺に隠してる事が有るのか?これ以上何があるんだ‼」
強い口調で言ってしまったけど、当然だ。もうホントに親友って思ってた自分が可哀想すぎるぜ。


「...オレ、勇人の事が、...好き、なんだ。」

「...?そんなの、俺だって昨日まではそう思ってたよ。お前が裏切るまではな‼」

「なに?裏切るって、」
呆気にとられた顔で俺を見る。

「同じ大学行きたいって言ったの、アタルの方だからな。家から通えるとこ受けようって!」

「それは、....そうだけど、オレの好きは違うんだよっ!勇人の近くにいたら、オレ、お前の事襲っちゃうから。」
顔を真っ赤にして、アタルは困った様に後ろを向いた。

え?・・・・

なに?・・・・今の。

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