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待ち遠しいゼ
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5月・・・
新芽もすっかり芽吹いて、僅かに初夏の薫りが漂う頃。
東京の美容専門学校へ行ったアタルからメールがきた。
これまでにも、何通かのメールやり取りをしていたが、今日の内容は俺にとっては嬉しいもので。
美容学校の生徒は、高校とは遥かに違う人種に見えるそうで、アタルがビビるなんて驚くばかりだけど。
でも、独り暮らしも落ち着いてきたから、ゴールデンウィークに遊びに来いという内容のメールだった。
初めての東京。
完全にビビる俺に、来てみたら大したことない、というアタル。それでも新幹線に乗る事事態が、修学旅行以来だし・・・。
取り敢えず、恥ずかしくない服を探す所からはじめるが、考えたら俺、今まで服を選ぶのもアタル任せで。
いつも、女の子ウケのいい服装を選んでくれていた。
そう考えると、俺の事好きとか・・・そんな風に思いながら、女にモテる服を選ばせてたんだな。
ボストンバッグに二日分の着替えを詰め込むと、早速電車を乗り継いでアタルが住む町へ。
中央線というのに乗って新宿で降りたが、ここからが難関だった。
ゴーグルマップで検索したら、なんとなく場所はわかるけど、同じ様なアパートやマンションばかりで、ぐるぐると回ってしまい訳が解らずアタルに電話。
数回のコールで出てくれて、「何処に居るんだよ?」と、いきなり聞かれ、「お、・・・俺も、わかんねぇ」と泣きそうに答える。
近くにあったコンビニを告げると、「全く反対側だし。・・・そこで待ってろ。」と言われて。
中で待とうかどうしようかと思ってる間に、向こうから走ってくるアタルの姿が見えると、思わず鼻の奥がツーンとして涙がでる。
「アタルゥ~」
「だっせ!なんで泣いてんだよ!?」
と、笑われても何でも、とにかく俺はホッとしたんだ。
早速アタルの暮らす部屋へと案内されて、三階建ての一番端の部屋へと入った。
三階で見晴らしが良くて、こんな所でアタルは独り暮らしを満喫してんだと思ったら羨ましくなる。
「いいなぁ、女の子とか連れ込んでも親に叱られないってさ。」と、言ったそばから冷や汗が。
そうだった、アタルは俺が好きなんだった。
「・・・ごめん、つい・・・」
謝る俺に、アタルは笑って
「まだ連れ込んだこと無いけどな。」と言う。
「・・・あ、・・・ふうん」
なんだ、アタルは俺に告白したこと忘れてるんだ?
まだ、ってことは、機会があれば連れ込むって事かよ!
「昼ごはん何食べたい?」
「え?・・・・何でも。さっきのコンビニで買ってくれば良かったな。」
俺が残念そうに言う。
「いや、材料は有るから...オムライスとか作ってやるけど。」
普通に言われて驚く。
だって料理が出来るなんて聞いたことないし。
「お前がつくるの?大丈夫かよ」と心配になるが、「任せなさ~い」と言って笑った。
ちょっとだけ、さっきのやり取りで凹んだ俺だったけど、なんて事はない。こうやって出会えば、また昔の親友と思ってた頃の様に、楽しくやれるじゃないか。
俺の事は、きっと時間が経って思い直したんだろう。
昼ごはんを作ってくれるなんて、物凄く待ち遠しいんだけど!!
新芽もすっかり芽吹いて、僅かに初夏の薫りが漂う頃。
東京の美容専門学校へ行ったアタルからメールがきた。
これまでにも、何通かのメールやり取りをしていたが、今日の内容は俺にとっては嬉しいもので。
美容学校の生徒は、高校とは遥かに違う人種に見えるそうで、アタルがビビるなんて驚くばかりだけど。
でも、独り暮らしも落ち着いてきたから、ゴールデンウィークに遊びに来いという内容のメールだった。
初めての東京。
完全にビビる俺に、来てみたら大したことない、というアタル。それでも新幹線に乗る事事態が、修学旅行以来だし・・・。
取り敢えず、恥ずかしくない服を探す所からはじめるが、考えたら俺、今まで服を選ぶのもアタル任せで。
いつも、女の子ウケのいい服装を選んでくれていた。
そう考えると、俺の事好きとか・・・そんな風に思いながら、女にモテる服を選ばせてたんだな。
ボストンバッグに二日分の着替えを詰め込むと、早速電車を乗り継いでアタルが住む町へ。
中央線というのに乗って新宿で降りたが、ここからが難関だった。
ゴーグルマップで検索したら、なんとなく場所はわかるけど、同じ様なアパートやマンションばかりで、ぐるぐると回ってしまい訳が解らずアタルに電話。
数回のコールで出てくれて、「何処に居るんだよ?」と、いきなり聞かれ、「お、・・・俺も、わかんねぇ」と泣きそうに答える。
近くにあったコンビニを告げると、「全く反対側だし。・・・そこで待ってろ。」と言われて。
中で待とうかどうしようかと思ってる間に、向こうから走ってくるアタルの姿が見えると、思わず鼻の奥がツーンとして涙がでる。
「アタルゥ~」
「だっせ!なんで泣いてんだよ!?」
と、笑われても何でも、とにかく俺はホッとしたんだ。
早速アタルの暮らす部屋へと案内されて、三階建ての一番端の部屋へと入った。
三階で見晴らしが良くて、こんな所でアタルは独り暮らしを満喫してんだと思ったら羨ましくなる。
「いいなぁ、女の子とか連れ込んでも親に叱られないってさ。」と、言ったそばから冷や汗が。
そうだった、アタルは俺が好きなんだった。
「・・・ごめん、つい・・・」
謝る俺に、アタルは笑って
「まだ連れ込んだこと無いけどな。」と言う。
「・・・あ、・・・ふうん」
なんだ、アタルは俺に告白したこと忘れてるんだ?
まだ、ってことは、機会があれば連れ込むって事かよ!
「昼ごはん何食べたい?」
「え?・・・・何でも。さっきのコンビニで買ってくれば良かったな。」
俺が残念そうに言う。
「いや、材料は有るから...オムライスとか作ってやるけど。」
普通に言われて驚く。
だって料理が出来るなんて聞いたことないし。
「お前がつくるの?大丈夫かよ」と心配になるが、「任せなさ~い」と言って笑った。
ちょっとだけ、さっきのやり取りで凹んだ俺だったけど、なんて事はない。こうやって出会えば、また昔の親友と思ってた頃の様に、楽しくやれるじゃないか。
俺の事は、きっと時間が経って思い直したんだろう。
昼ごはんを作ってくれるなんて、物凄く待ち遠しいんだけど!!
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