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ドライブ
しおりを挟む「おはようございます」
マンション前で待っていた水野たちに声を掛けて、祐二は助手席から降りた。
「すみません、車まで出して貰って。」と、美乃利は佐伯に礼を言う。
「ああ、いいんだよ。たまには運転しないと、腕がにぶるから。それに4人で動くなら車の方が楽だしね」と佐伯は満更でもない顔で言った。ちょっとしたドライブのつもりでいるのだろうか。
「はじめまして、私は奥村くんの同僚の水野です。今日は無理言って同行させて貰います。宜しく」
水野が佐伯に挨拶をすると、早速車の後部席に乗り込む。
美乃利も水野の隣に座り、佐伯と話し始めたので、祐二は助手席に戻るとシートベルトを締めた。
「さてと、どうしますか。菅沼さんは3時頃戻ってくるそうですよ。それまでに行きたい所は」と佐伯が言って、エンジンをかける。取り敢えず車を走らせると、大通りに出て社員寮の方向に進んだ。
「菅沼さんて、岬さんの同室の方ですよね。実家に戻られてて夜に帰って来るって聞いたけど」と、水野が言った。美乃利が佐伯からそう聞いていたので、確かめた様だ。
「ああ、ホントは夜に帰る予定だったんですが、美乃利ちゃんが北海道から来た事を話したら、早めに戻ると」
「そうですか。じゃあ、時間まで天気もいいしドライブでもしますか。社員寮のある場所ってそんなに遠くないんでしょ?」
水野がそう言うと、佐伯は「ええ、でも50分くらいはかかるかなぁ。東京都内でもはずれの方だから。会社からは電車で一本だし便利ですけどね。ちょっと大きな池があったりして、散歩するにはいいかもしれません」
と言ってバックミラーで水野を見ながら答えた。
「水野さん、ドライブって、.......遊びに行くんじゃないんですから」
祐二は水野に言うが、楽しんでいる気がしてならなかった。休みを返上して付き合っているんだ。早く用事を済ませて帰りたいと思ってしまう。
だが、水野にとってはドライブも人探しも自分の好奇心を満たす為のものに過ぎなかった様で。
「あら、折角車で遠出してるのに、勿体ない。時間があるんだからいいじゃない?それに美乃利ちゃんも色々行きたいでしょ?」
「あー、まあ、時間があれば。でも迷惑になってもいけないので......」
「迷惑じゃないわよ、ねえ?」
佐伯に訊いている様な口ぶりに、「ええ、寮の近場をドライブしましょう」と言って苦笑いする佐伯だった。
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