やる気が出る3つの DADA

Jack Seisex

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【緊急事態(24)】緊急事態宣言って解除されたんじゃないの?⇔タランチュラ×タランチュラ⇔偉人の兄貴はどこ?

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「プロレスが好きなの?」
 倉橋が聞いた。
 倉橋は自身のガスマスクに手をやった。少女Gから貰ったデザイン性の強いガスマスクである。

「うん。この前話したように、初めて日本に来たのは、後楽園ホールで試合を見る為なの。日本のプロレスは最高、当時も今も、今日も明日も、明日も明後日も……」
 少女Gが言った。
 少女は伝説の女子プロレスラーから、このガスマスクを譲り受けたのだという。
「ガスマスクは、その女子選手が試合中にしているの?」
 倉橋が聞く。
「選手が入場する時にしていて、超かっこいいいの♡」
「なるほど」
 少しずつ状況が見えてきた。だが、まだよくわからないことが一つ。 
 
「――でも、なぜ、その選手はパンデミックも起きていないのに、ガスマスクをしていたの?」
 
「天才で神だから」
「天才で神?」
「うん。今回のパンデミックもそうだけど。時代を予見するような不思議な力があるの。彼女くらいになると、ホログラム界もアンドロイド界もあっさりと超えてしまう。本物のリアル・超スーパースター」
 少女はきっぱりと言った。
「――うちの兄貴は?」
「あ。あなたのお兄さんもすごい人よ。この女子選手ほどではないけど」
「なるほど」
 倉橋が、あっさり頷く

 すぐに、倉橋は梯子を登りはじめた。倉橋のスピードは次元が違うぞといった感じの、かなりの速いスピードだった。
「もう少しか」 
 倉橋が呟く。
 そろそろ、地上に出てもいい頃か。案の定、すぐ手を伸ばせそうな所に天井の隙間から太陽光が差し込んでいるのが見え始めた。
「もうちょい」
 倉橋は伸びをした。
(よし) 
 天井の隙間に、指が届きそうになる。

「げ」
 その時、バランスを崩して、梯子から手を放してしまう。倉橋が、そのまま、空中をまっさかさまに落ちていく。
 倉橋の身体は、約30メートル落ちたところで、突如、止まった。
 倉橋の身体は宙に浮いたまま、上下に揺れている。いつまでもいつまでも揺れている。
 
「もう本人も忘れてるかもしれないけど、あなたが履いているスニーカーは、【倉橋モデル】といって、空を飛べるのよ」 
 少女Gの声が響いた。
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