三尺刀使いの仮想現実戦記

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椛の思い出part5再会

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目覚めた。
ヤバいヤバいヤバい。青は?何処?何処にいる?
そんな風に思って振り返ると座ったまま寝ている青が居た。
「青~」
ぎゅっと抱きしめて「好き」と連呼する椛。
「も~あんな大胆に告白するなんて、
青だーいすき」
顔をふにゃふにゃにしながら青を抱きしめて愛を寝ている青蓮に伝えるのだった。

今の時刻はおそらく4時半。
椛が起きてから三十分経った。
それを彼女も感じたのか、出発の用意を始めた。
家事の苦手な彼女は用意に10分程掛かった。
必要なものをショルダーバックに詰めて腰に付けて彼女は頑張ろと言いたげなポーズをし青蓮を背中におぶって流れの上へ上へと昇る。太陽に背中を照らされながら。
しかしまだ時刻早い事もあって人がいなかった。
「大好きだよ。青、顔も性格も体も、全部ぜーんぶ、大好きだよ。青、いや私の未来の旦那さん」
女も惚れそうなイケメン顔に顔を変えてそう言うと寝ている青蓮の頬にキスをした。
「ちょっと暑い」
そう言う彼女の首筋には汗が垂れていた。

大体6時頃に青蓮は起きた。
「あら、起きた?おはよう」
「うんっおはよう。で、これはどう言う
状況?出来るだけ簡潔に説明してくれない?」
「んもー、青が寝てたから青をおぶって沢を登ってんの」
「ありがと。それと、椛、顔、赤くない?」
今になって気づいた。さっきからいや、最初から感じてた異常な暑さ。
その正体は恥じらいだったのね。
「大丈夫よ。なんともないわ」
「本当に?」
「ええ。本当よ。私が貴方に嘘付いたこと、ある?」
「ないけど・・・ごめんね。余計なお世話だったかな?」
「いいえ、青と話してると嬉しくなるからいいのよ」
「そっ、ありがと。それと、降ろしてくれない?流石に恥ずかしい」
「それはちょっと聞き入れられないお願いね」
「なんでっ!?」
「もっと青とくっついてたいから?」
「揶揄わないで」
「揶揄ってないよ。本当は、青の寝顔が幸せそうだったから」
もっと青とくっついていたいのと、青の寝顔が幸せそうだったからおぶってるんだけどね。
「何それ?」
「幸せそうな寝顔をしてる人は幸せな夢を見てるから邪魔しちゃいけないよね」
「もー」
ばさっ!
草をかき分け出てきたのは見知った顔だった。
「み、見つけたぞー。恐ー!」
小さな声で「ほっ本当か?」と言う父の声が聞こえてきた。
「親父!」
「そうだぞ、親父だぞ、青蓮」
「叔父さん」
「そうだな。椛ちゃんから見て俺はオジサンだな」
「字、間違えてません?叔父さん」
私は空筆で叔父さんと書く。
「そっちか。ん?・・・なんで書けるの?」
「勉強の賜物です」
「後、椛ちゃん」
「はい、なんでしょう?」
「なんで家の青蓮は椛ちゃんにおぶられているんだい?もしや、青蓮、なんかしたか?」
「青が寝てる時に出発したのでおぶって出ただけです。降ろしてないのは私がもう少し青とくっついて居たいと言う私の心境のせいですね」
「内の青蓮がすまん」
「いえいえ、私が好きでやってるので。
ふふふっ」
「そうか、んっ?なんで、笑った?」
「聞こえません?足が地面を蹴り走ってくるこの音を」
「椛!」
「お父さん。ただいま」
「心配させんなボケ!・・・お帰り、
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