三尺刀使いの仮想現実戦記

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華の都へ

浜風派

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私は大将から石板をいただきその石板を使う場所を探していた。
「大将は宿屋辺りが良いって言ってましたけど、ほかに何かありませんかね?」
「なら私の所の客間はどうかね?」
「貴方は、誰でしたっけ?」
「おやおや忘れてしまったかい?私の街を救った英雄さん」
「その言い方は、ああ、思い出しました。アセビのギルマスですね?」
「ああそうだ。覚えていてくれたんだな」
「今思い出したところですよ」
「それは悲しいな。まあ、思い出してくれたから及第点と言おうか?」
「上からですね。まあ実際上ですけど」
「ああ。そこで君に頼みたい。焦獣と山牙獣の攻略法を探してきてくれ」
「ならば一つ頼みたい事が」
「何かね?」
「攻略サイトを作る浜風派に連絡して頂いてもいいでしょうか?」
「浜風派か。あの初心者に優しい攻略サイトで有名な浜風派かい?」
「ええ。お世話になったので恩返しを、と」
「そういう事ならいいだろう。少し待っててくれ連絡をする」
そういうとアセビのギルマスは通話を始めた。終わるとアセビのギルマスは言う。
「浜風派のトップに連絡がついた。大丈夫だと返信が来たぞ」
「わかりました。では焦獣からですね」
「ああ。今回浜風派からは五人出てくるらしい。私の街のギルドの客間でやる事になった。後二時間後なら最短でOKだそうだ。行けるか?」
「ええ。後二時間後、つまりは一時間と45分後までにはアセビのギルドに着けば良いのですね?」
「そうだな。ではこちらも連絡する。健闘を祈る。英雄さん」
「分かりました。腹黒のギルマスさん」
「それは酷いんじゃないか?」
そう言うとアセビのギルマスは消えた。
「浜風派の力になれるから良いから」
浜風派。このゲームの攻略法をサイトに記載する派閥の一つ。私が始めた頃にお世話になった攻略サイトが浜風派が作る攻略サイトだったのと浜風と大海でちょっと似てるなって思ったから浜風派にした。
「まさか承諾してくれるとはね。断られるかと思っちゃったよ」
こういう攻略サイトは固いのが多いらしく浜風派から断られるかと思っていた。
「攻略サイトを作るときは戦闘を間近で見て戦闘レポートを作る等したいからレポート班を守りながらの戦闘を強いられる為戦闘が長引く。したがって仲間が死ぬ可能性が高くなる。だから私との行動を承諾してくれたんだろうね」
つまりはあの胸糞悪い大戦闘のかいあってという事だろう。
「あの胸糞悪いさも、意味が有ったのですか」
意味なんて無いと思ってたあの胸糞悪さにも意味が有った。彼女には申し訳ないがそう考えるだけで少し嬉しかった。

作者
浜風派の名前は第二次世界大戦の頃の日本の一等駆逐艦陽炎型13番艦「浜風」が由来です。
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