三尺刀使いの仮想現実戦記

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華の都へ

立ちはだかる巨獣

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私達は炎火山の山頂に到達した。
「結構やられていますね。牛も、私達も」
そう、私達もフルヘルスでは来れずHPを削りながら来たのだ。
「牛は大体がダメージを負っていて全体の大体三分の一くらいの牛は残りのHPが半分を切っていますね」
「まあ悪くはない。ここに到達する頃には三分の二くらいの牛がHPを半分切っていると良いのだが、そう簡単では無いだろう」
「では、用意しますか」
「ああ。総員!宴の用意だ!腹を空かせたお客様が走ってきているぞ!斬撃を!魔法を!たらふく喰わせてやれ!」
そうして私は突進してくる牛達の前に立ち刀を抜く。
「牛ども、腹が減ったか?たんまり喰わせてやる。斬撃を!」
そうして私が横薙ぎを放つ。この一刀を皮切りに皆が攻撃を始める。
「水竜、逆尾応用!」
私は右から薙いで左に言った刀を突進してくる強そうな牛を叩き斬るために上にあげ、落とした。
「チッ!此奴等ダメージゾーン効いてますけどHP自体高いのかあんまり倒れねぇ!」
周りの援護に周らないと!
「ちょっと乱暴に行きましょうか。水竜・尾!続けて大海!」
水竜・尾で時間を作って大海で一掃。良いですね。
「曲波(×5)!」
曲波を使って味方の援護に周ります。
「そっちはどうですか!?」
「ヤバいよ、コレ。薙ぎ払い!」
結構周りもやばげですね。なら、
「皆さん、伏せて!」
「「「了解!」」」
コレを使うのはあのPvP大会以来ですね。
私は縮地で山頂の中心まで移動するとソレを使う。
「水竜・舞」
ザンっ!
「みんな!ジャンプして!」
「「「りょ、了解!」」」
「降竜!」
ドンッ!
私は刀を大急ぎで地面から抜く。牛がかなりの量倒れ後は降竜の範囲外に居た牛だけが生きている。
戦意は喪失していないようですね。
「まぁ、量が格段に減ったのは事実ですね。小炎だけでも切り抜けられそう。もう大丈夫です!」
そう言った次の瞬間、私の前に角が現れました。
「チッ!」
刀を振るい角を攻撃します。
キィン!
甲高い音が鳴り響き、角が止まります。
『人間にしては、良くやるようだな。我等をこんな火の山に誘い込み我が下僕達を斬り伏せ、更には我が角の一撃を止めるとは』
頭に響く何者かの声。音は低く男のものと分かった。
「誰だ!?」
『目の前に居るじゃないか?』
そう言われて目の前を見る。・・・其処には、悪魔の様な角を生やした牛の顔があった。ツノは根本の方で二つに枝分かれしている。周りを見てみるとさっきまで猪の様に突進してきた牛達が大人しくしている。
「悪魔みたいな角を生やしたお前が声の主ってことですか?」
その言葉に牛は
『ああ。上位の魔物は人語を理解することができる。その方が良いのでな。まぁ、豚頭共の長なんかは例外だが』
そう返した。
「じゃあ、私の頭に直接響く声はなんなんですか?」
私がそう言うと牛は口を開けて
モォォォォォ!!!!!!!!!!
と、鳴いた。
『と、この様に我は体の構造的に人語を話せない。だから相手の脳に直接話しかけるのが良いのだ。我も竜なんかの持つ人化が使えればもう少し話しやすいがな』
「そうですか。・・・それで、何故私に話しかけてきたのですか?」
『いや、お主が我の配下を切り刻んでおったからな、少し興味が湧いたのだ』
「そうですか。それで、私達から手を引いていただけると嬉しいのですが」
『それは出来ぬな。だが、条件がある。というか私がやりたいがお主の動機がなかったからな。それをお主の動機にすれば良い』
「何を・・・するのですか?」
私の頬から汗が滴り落ちる。この後に起こる事に対する恐怖への汗と周りの暑さによる汗、動き回った事による汗が私の体を覆っていた。
その時牛がまた口を開く。
『私とタイマンで勝負しないか?私が人化出来たらステゴロでやりたいが』
「わかりました。私が勝ったら見逃してください」
『いや、お主らは華の都に行きたいのだろう?』
「え、えぇ。そうですが」
『此処から華の都に行くには我を倒しても門は開く』
「わかりました。では、私が勝ったら門を潜りますね。私の仲間達と」
『良いだろう。我が勝ったらお主らをBOSSの前に連れていく』
「わかりました。では、始めましょうか」
『少し待て。私の配下に下がるよう命じる』
「お願いします」
モォォォォォ!!!!!!!!!モォォォォォ!
牛がそう鳴くと小さい牛達は下がって行った。
『準備は整った。始めよう』
「不肖激流、推して参る」
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