三尺刀使いの仮想現実戦記

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華の都へ

退くことは負けではない

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ドンッ!
「大丈夫ですか?」
「ええ大丈夫です。そちらは?」
「此方は全員フルヘルスです」
「それは良かった。では、迎え討つ準備をしましょう。まあ迎え討つ準備と言っても大体後三分もすれば来ますけどね」
ドドドドド!
「おっと、噂をすれば」
聞こえてきましたね。黒剛毛牛(仮)の大群の足音が。
「数は、どのくらいでしたか?」
「まあ、千と言ったところです。あの体躯ですから」
「牛が、千匹突っ込んでくると?」
「大体ですがまあそう考えて良いでしょうね。因みにモンスターの名前は分かりますか?」
「あぁ、それですか。おそらく激流さんが見たのは黒毛牛というモンスターです」
「黒毛和牛?」
「黒毛牛です。現状見つかっている純粋な牛型のモンスターの中では最強の種です」
「純粋な牛型?」
「えぇ。牛型のモンスターは純粋な牛をモデルにしたのとミノタウロスをモデルにしたのの二種類に分けられています。その中で純粋な牛型のモンスターの中では黒毛牛が最強ということです。因みに牛型モンスターの最強は現在見つかっている唯一のミノタウロスタイプのモンスターであるミノです」
「そですか、耐久力は申し分ありませんでした。・・・炎火山(えんかやま)に行きますか?」
炎火山。地形の炎のダメージのあるエリアの中で最もわからない場所。見た目は山火事の起きている山なのだが、山頂はモンスターのポップ無しでさらにHPのオート回復がかかるが登山道はヤバいとしか言えない。理由は変わり続ける炎とほぼ無限に出てくる火の虫のせいだ。
「炎火山、ですか。そこならいけますかね?」
「地形の炎のダメージがどのくらいなのかわからないですからあまり言えないですね。まあ行かないよりはマシでしょうけど」
「なら行きますか。炎火山」
「行きましょうか。それに、退くことは負けではありませんし」
「いざ、炎火山」
そして私達は怒れる牛達(怒らせる事はしていないのだが)の突進を避ける為に炎火山に足を進める。
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