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1. 王弟殿下・・・何故ですか?※
「シェリル、シェリル······」
「ッ、はぁ······ここ、は······?」
朦朧とする意識の中、大切な人がずっと私を呼んでいる、そんな気がして······。
でも、目覚めてすぐ見えたその悲壮感漂う表情に胸が締め付けられる。
「良かった。シェリル、やっと気が付いたんだね······」
後ろで束ねられた紫色の長髪······。
そして同じ紫色の美しい瞳が私を見下ろしている······。
私の大切な······ひと。
「······ヒューベルさ······ま、」
「長い間気を失っていたんだよ、シェリル······こんなにされて······怖かっただろう?」
彼が愛おしそうに私を見つめ、頬にそっと手を置き、ゆっくりと髪を耳にかけて。
「ッあぁ!」
直後、ゾクゾクと肌が粟立ち、全身が彼に触れられているという感覚に歓喜している事にシェリルは驚愕する。
「ふふっ······本当に僕には従順な身体になったんだね······君が穢されていなくて本当に良かった」
「穢され······る······?」
「そうだよ、君はあの女に嵌められて、誘拐された。君に何かあれば、僕は皆を殺すところだった」
あの女······?誘拐······?
何か嫌な悪夢を見ていた気がして、曖昧な記憶をたどりつつ重い身体を起こそうと動けば。
直後、ガシャンっという金属音がなり、シェリルはその音の方向を見上げた。
そして両腕が鎖に繋がれているのを見て、その状況に頭が混乱する。
「っ、······なん······で······?」
なんで······
なんで、繋がれているの······?
ヒュー様は最近私を拘束する事はなかったのに······。
私が事件に巻き込まれて······彼に心配をかけたから······っ。
「シェリル、僕は愛する君を、もう逃がしてあげられない。僕たちは婚約者で······やっと君も好きと言ってくれるようになったのに······あれは僕の聞き間違い、だったのかな?」
彼の美しい指が下肢を這い、その先を知っている身体がビクンと揺れる。
自分の意思に反して、触られる事を望むように身体は疼き。
あまりの衝撃に声も出せない程乾いている口の中とは対照的に······体内は潤いに満ちていて。
「ああ、シェリル、やっと······だ。今日僕たちは遂に初夜を迎え、永遠に結ばれる」
「しょ······しょや?」
初夜······初夜とは確か、夫婦になる者が行う······それを、ヒューベル王弟殿下、と······いま?
「そ、それは!駄目ですっ!だめ、私は殿下とは結ばれるわけにはいきませんッ!!お願い、もう一度考え直して······!」
そう、駄目なのです······。私はこの世界に友人の為に転生してきただけの存在だから······。
「大丈夫。君はもう何も気にせず、私の責任にしていればいいんだよ」
じゅぷりとゆっくり指が蜜口に沈み、シェリルの身体が反り返る。
「っ······ふぁぁ!やっ······!なんで······こんなに気持ちいいのッ······」
「僕が君にずっと教えてあげていた事じゃないか······衝撃的な事があったとはそんな大切な事を忘れてしまわれてはこの先が不安だな······」
クスクスと笑いながらも全く笑っていない瞳の彼は美しい悪魔の様で、シェリルはその表情に釘付けになる。
これが、この国の······最も美しく妖艶な男性と言われてその天使のような優しさと甘い笑顔で女性を虜にしてやまない······ヒューベル王弟殿下の······私だけに見せる顔······。
でも彼は······ヴァレンティ―ナの······。
「ヴァ、ヴァレンティ―ナさん······ご、ごめんなさい······!!」
「シェリル!今、その女の名前は出すな!今回の事で、いい加減、彼女は君の親友なんかではないと分かった筈だろう!」
先程と一転し、ヒューベルの怒りを孕んだ声が響き、彼は怒りを冷ややかな目でシェリルを見下ろすと、自身の滾った熱塊を蜜口にあてがって、くちゅくちゅと卑猥な水音を部屋に響き渡らせた。
「ひぃあっ······!そ、それは······何······っ」
シェリルはその初めて見た目の前に聳え立つモノに目を見張る。
血管の浮き出たあまりの威圧的なそれに、シェリルは身体を捩って、また鎖の音が鳴った。
「そうか、シェリルはこれを見るの、初めてだもんね?」
「っうあぁ······待っ······て下さいませ······殿下ぁっ!」
「······殿下?寝台の上で、僕の愛しの婚約者が呼ぶ呼び名は”殿下”なんかではなかったよね?」
それともそれも忘れてしまった?お仕置きが必要かな?
彼がそう言葉を続け、パンッと軽くお尻を叩かれ、シェリルの身体が大きく跳ねた。
「ッふぁぁン!ヒューさまぁっ!」
「うん、シェリル。よく思い出したね」
じゅぷり、とその熱塊が膣内に侵入し、フィリスは堪らず叫んだ。
「ッ、怖い······いやっ!ヒュー様、お願い······怖いのッ、もうどこにも行かないから······お願い······っ」
「ふふ、可愛い······わかった、確かに、大切な初夜だ。拘束は解こう」
彼が腕の拘束を外し、シェリルは無我夢中でヒューの身体にしがみ付く。
「やだぁ······こんな身体っ······痛い筈なのに······気持ち良いと感じるなんてっ······やっぱり私はキモチワルイ子なのだわ」
「違うよ、シェリル。君は気持ち悪くなんかない。それは君の素晴らしい才能の一つなんだ······僕とこれから存分に楽しめばいいんだよ」
”シェリル、僕の人生に誓って約束する。貴女の事は僕が一生大切にするから”
そう言ったヒュ―ベルが目を細めて自分を見つめていて······そのあまりの美しさに意識が流され。彼は続けて言葉を紡いだ。
「それにしても、本当に······調教した甲斐があったね······シェリル······僕の······悪役令嬢」
「あくやく······れいじょう······」
そう。
私、シェリルは親友の作った恋愛小説の中に転生し、”悪役令嬢”としての役を与えられ、彼女の踏み台になって殺される筈だったのです。
なのに、私は彼女の役に立てないばかりか、彼女の夫になる予定だったヒューベル王弟殿下と初夜を共にしてしまうなんて。
親友のヴァレンティ―ナさんはまた、怒るでしょうね······。
いえ······ヒュー様のいう通り······もう”親友”なんかではない、のかもしれないですね······。
だって彼女は私を······”友人”だとは······
その直後、彼の大きな肉塊がズクンと一気に体内の奥まで到達し、フィリスは目を見開いた。
「っ······うああ”ッ!」
痛い······。痛い筈······なのに、直ぐに追ってくる感覚は······快感。
『これは、痛み······じゃない······?これは、快感······だというの······ですか?』
「ッ、ああっ、なに······これ······だめえっ······!イ、達ってしまいますっ」
シェリルは破瓜の痛みと共に絶頂を迎え、そして再び気を失った。
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