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49. お仕置き 1※
その日、ヒューベルがいつも通り部屋を退出したのを確認し、シェリルは持て余した熱を収めようとローブを捲ると手を秘部に滑り込ませる。
早く快感を得たいと流行る気持ちを抑えながら、片手は胸を触りながら頂にある突起を指で挟みながら抓った。
痛みはシェリルに快楽をもたらす。彼女はそれを知らないまま、自慰を行っていたのだ。
「ッ、ああっ······だめ、ヒュー様······」
考えるのはいつも通りヒューベルの事。
絶対に一緒にいてはいけない関係だと分かりながらも、あんな風に毎日身体を触られると期待してしまう自分がいて······。
でも、想像して、自分でこの熱を逃がす事くらいは許されるだろうから······と、毎日彼に触れてもらう事を想像して、自分で慰めてしまうなんて。
「っ、ヒュー様、もっと触って······っ、······」
割れ目の突起に触れ、優しく何度も擦りながら、グリグリとそれを押しつぶせばあまりの快感に身体がのけ反る。
迫りくる様な大きな快感が怖くてシェリルは直ぐに手を離した。
「だ······だめぇぇ」
はぁはぁと呼吸を繰り返し、少し落ち着いたところで一気に自己嫌悪に苛まれシェリルは顔を覆う。
「だめなのに······許されないのに······なんで······こんなに彼の事しか考えられない程に好きになってしまったの······」
そんな時、部屋の入口から聞き慣れた声が聞こえて、頭から血の気が引いた。
「なにが許されないんだい?シェリル?」
恐る恐る声のする方を見れば、シェリルの視界には壁に凭れ掛かったまま自分を見ているヒューベルがいて。
「ヒューベル······様······ッ!?」
いつから、見ていたの?
こんなはしたない姿を······!
あまりの羞恥心で涙がでそうになり、シェリルは寝具を頭まで被って声を絞り出した。
「ヒューベル様、お願いです!見なかったことに······聞かなかった事に······して下さいませんかっ!!」
長い長い沈黙の後。
もうヒューベルがこの部屋にいないのではと錯覚する位の長い時間が経った気がした時。
「まあ、僕が誘導したとはいえ、婚約者が一人で慰めているなんてね」
その声が自分の真上から聞こえて、シェリルは身体を震わせる。
「っ、······!」
寝具が捲られ、乱れたローブからは肌が露わになって。それが先程までの行為を思い出させるようでシェリルは慌ててローブを重ね合わせた。
「そんなローブも、もう要らないかな?だけど、そうか······僕、欲しい物や足りない物があれば直ぐに言ってって······言ったよね?それができないなんて······シェリルは悪い子になったみたいだね?」
”お仕置きが必要だ”そう言ったヒューベルの美しい紫の瞳が揺れて、目が細められる。それから彼はシェリルの腕を強く掴んだ。
「お······お仕置き?······っいや、待って······お願い······」
「ロイ、いるかい?」
ヒューベルがシェリルの身体を近くに寄せながらその名を呼べば、扉から、すぐにいつもの傍付きの青年が入ってきて傅いた。
「はい、ヒューベル様。ここに」
「シェリルにお仕置きをしたいのだけどね」
「畏まりました。直ぐに準備致します」
「ロ······ロイさん?」
ロイが向かった先は今まで全く使う事の無かった、美しい金色の鳥籠の中だった。
彼は見たこともないほどに美しい金の縄を取り出すと、その真ん中で直立し何やら準備を始める。
シェリルは自分を抱えて鳥籠に入っていくヒューベルを見上げた。
「彼は何を······」
「ロイはね。元々は奴隷として虐げられていた所を僕が連れて帰ってきたんだ。この時の為に色々勉強はしてもらったけどね」
「この時······?」
ヒューベルがシェリルを床に下ろすと、両腕を上にあげさせる。
すぐにロイが慣れた手つきで一つに纏めて上で縛り上げ、鳥籠の上から垂れさがっている金具に固定した。
「っ、なにこれ······やだ······見ないで」
ローブがはだけ、ロイに見えてしまう······と、シェリルは首を大きく横に振る。
「シェリル、大丈夫。ロイにとって君はそういう対象にはなり得ないからね」
「そ、そういう事では······、ヒュー様、こんなこと······おやめ下さいっ」
そう懇願すれば、”それなら”とヒューベルは微笑んだ。
その冷ややかな笑顔に、ゾクゾクと全身が粟立ちシェリルは驚きに彼を見つめる。
「どうして、僕に触って欲しいとか、言わなかった?僕に何も言わずに自分で慰めるなんて、シェリルは意外とヒドイね?」
ふふっと笑いながらも瞳は全く笑っていない。
その間にもヒューベルの美しい指が、ゆっくりと太腿を撫で上げ、臍、双丘の間と順になぞり。
首筋のローブを掴むと一気に破り裂いた。
シェリルが彼の深い闇を孕んだ凶暴性を垣間見たのは、この時が初めてだった。
でも、なんでだろう······怖いとかそういう事は感じなくて。
むしろ······彼のその闇に引きづりこまれたい、私を心も身体も染めて欲しい······なんて、そう思ってしまったから。
もうこの時から、彼から逃れる事なんて出来なくなっていたのかもしれない。
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