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周りは長身の選手ばかりなので、背の低さは逆に目立つ。大人の群れに迷いこんだ子犬のような感じだ。極東から連れてこられた子犬が、置いていかれないように一生懸命走っている。
レインは首をまわして、隣へ顔を向けていた。何かおしゃべりでもしているのだろう。
私は走ることに集中した。
およそ一時間後、グラウンドへ戻った。みんなロードレースを完走した市民ランナーのように、地面に座り込んでいる。ありがたいことに、午前中の練習はここで終了した。一時間後に再開である。
食堂は宿舎と通路で繋がっていて、外からでも出入り可能である。客人を優しく出迎えるような雰囲気の白煉瓦造りの建物へ入ると、胃袋をくすぐるような匂いが充満していた。食事は全て、クラブの栄養士たちが私たちの肉体を考えて用意してくれている。一昔前と違い、摂取する栄養によって、選手生活の寿命が伸びているのだから、食事の内容は重要だ。
食堂のフロアは広かった。各自それぞれ自由にテーブルに座っている。私もクリーム色の受け皿に柔らかいパンや熱々の鶏肉をとり、トマトやキャベツやニンジンを刻んだサラダを多めにとって、空いているテーブルに落ち着いた。
すると、隣のテーブルにいたポーティロが、紅茶のはいった白いティーカップを置き、すぐににじり寄ってきた。
「おい、あいつの話、聞いたか」
小声が振った方向には、レインと日本人が隣同士で座っていた。
「あいつが、スポンサーの後押しで、このクラブに入団したって話は本当か」
押し殺した声で囁いてきた。私は二人の背中に視線を投げて、ちらりとポーティロにも目をやった。右サイドバックを守るディフェンダーの彼は、二年前にノーザンプールへやって来た。それまでは、小さなクラブを転々とまわってきたのである。
「クラブが日本企業とスポンサー契約を交わしたんだろう? その時に、日本人を一人チームに入れる契約を結んだそうだ。実力は関係なしにな」
私はテーブルに置いた昼食を見ながら、ゆっくりと考えをめぐらした。昨日の自主練習にポーティロはいなかったはずだ。
「彼は、日本を代表するストライカーだそうだよ」
バーン監督から教えられたことを、そのまま伝えた。
「実力がないとは言えない。それにとても幸運だったんだ」
「そうだな、宝くじにでも当たったようなものなんだろうな。羨ましいぜ」
このリーズ育ちのディフェンダーが、赤と白のユニフォームに袖をとおすのにかかった年月は、およそ八年だ。
「あのジャパニーズが入って、ピエールが売られていった。まったく、いい買い物をしたものさ、うちのクラブも」
ポーティロは投げつけるように言って、私を見た。ロンドンの空模様にも似た灰色の瞳が、抉るように私を見据えてくる。
「その話は誰に聞いたんだい?」
「ギルだ。だけど、みんな噂しあっているぜ」
まるでウィルスが散らばっているかのように聞こえた。
私はパンを千切って、口にいれた。窓際にいる二人の若者たちは、仲良さそうだった。互いに顔を向けあい、笑いあっている。特にレインが手振り身振りを交えて、積極的に話しかけている様子だ。
「やってられないぜ」
ポーティロはそう吐き捨てると、私から離れた。椅子に座りなおし、心を静めようとするかのようにティーカップに口をつける。
ポーティロの苛立ちは、私にも手にとるようにわかった。だが今私にできるのは、目の前の食事を食べ終えることだけだ。
一時間はあっというまに終了し、午後からはピッチ上でミニゲームをすることになった。
バーン監督の指示に従って、我々は二つのチームに分かれた。赤いユニフォームのチームと白いユニフォームのチームである。私は白になった。
主審はランドンコーチである。試合開始の笛が高々と吹かれた。
私は前方からパスされたボールを足でとめた。ピッチ上の芝生はいい状態である。
ボールを蹴って走った。敵味方に分かれたチームメイトたちの動きにも、気を配る。ボールを蹴るのは久しぶりだったが、ありがたいことに私の両足は感覚を忘れていなかったようだ。
左サイドを走るケリーにボールを流した。アイルランド人のケリーは、「スピード」とのあだ名に相応しい素早さで敵陣地に切り込んでいき、ゴール前付近で高くボールを蹴りあげる。その先にはゲイリーがいて、良いタイミングでヘディングシュートをしたが、ノーザンプールの番人であるキーパーのヴァレッティに防がれてしまった。
イタリア人では珍しく海を渡ったヴァレッティは、両手でボールを抱え込むと、ディフェンダーに指示を出し、スターンの足元へボールを送った。アフリカ系イングランド人であるスターンは、豹が獲物を追いかけるようにドリブルをする。中盤にはミッドフィルダーのヒューズがいて、スターンからパスを受けると、同じポジションのバートンともども我々のゴールを狙ってきた。
私も黙ってはいられない。相手チームのフォワード二人は、ゴール前でうろついている。一人はレインだ。ヒューズはボールを蹴ったが、キャプテンのエヴァレットが見事にボールを奪い、右サイドハーフにいた選手へ繋げた。新しくチームに加入した選手だ。ブラジル出身のミッドフィルダーである。タンバリンでも叩くかのように弾んだ足さばきで、キレのあるドリブルをした。彼は私の動きにも注意を払ってくれていて、中盤で走っている位置を確認すると、ボールを回してくれた。
私はそのボールをゴール前まで運んでいった。ゲイリーたちにはしっかりとガードがついている。格闘家のように構えるヴァレッティも見えた。ボールを取ろうとしたディフェダーのハッセルベイクを抜き去り、コーナー前からミドルシュートを打った。だが、ゴールポストに当たってしまった。
「惜しいな! ヴィク!」
私は額に手をやって、思わず空を仰いだ。
やはり両チームとも、バカンス帰りなので動きは鈍い。それでも監督は白いライン際に立って、両腕を組んでいる。背広を着てネクタイを締めれば、本物の学校長のようだ。
ボールは相手チームのものになり、バートンが司令塔となって、指示を出している。ケリーが自慢の速さでボールを取りにいくが、他のチームメイトとパスを繰り返し、ディフェンダー陣の隙を突いて、レインが走りこんだ。だが、ボールはゴールラインの外へと飛び出た。私が邪魔したからだ。
私と共に中盤にいるドュートルは、フランス人である。だがブルターニュ生まれのせいか、非常に頑固で融通が利かない。まるでアレクサンドル・デュマが書いた三銃士に出てくるダルタニヤンのようだ。私たちの攻撃になり、ブラジル人からボールをパスされても、周囲にはまわさず、ドリブルで切り込んでゆく。ディフェンダーのベルナルドが壁のように立ちはだかっても、それは変わらない。ピエールと一緒に、あの頭の硬いダルタニヤンとからかった記憶は楽しい想い出の一つだが、やはりボールを奪われてしまった。
奪ったのはハッセルベイクだが、そのボールをヒューズに回そうとした隙をついて、私が足を出し、ボールを横へ押し出した。そこにはゲイリーが走りこんできている。ゲイリーは力強くシュートした。
しかし、ヴァレッティが激しく反応し、ボールを胸にあてた。ボールは跳ね返り、ラースが素早く足を繰り出す。だが、ヴァレッティがカミカゼを起こし、ボールの上に覆いかぶさった。ラースはむなしく、ヴァレッティの肩を蹴っただけで終わった。
その後同じような展開がゲームを支配し、どちらも一点を取れないまま前半は終わった。
レインは首をまわして、隣へ顔を向けていた。何かおしゃべりでもしているのだろう。
私は走ることに集中した。
およそ一時間後、グラウンドへ戻った。みんなロードレースを完走した市民ランナーのように、地面に座り込んでいる。ありがたいことに、午前中の練習はここで終了した。一時間後に再開である。
食堂は宿舎と通路で繋がっていて、外からでも出入り可能である。客人を優しく出迎えるような雰囲気の白煉瓦造りの建物へ入ると、胃袋をくすぐるような匂いが充満していた。食事は全て、クラブの栄養士たちが私たちの肉体を考えて用意してくれている。一昔前と違い、摂取する栄養によって、選手生活の寿命が伸びているのだから、食事の内容は重要だ。
食堂のフロアは広かった。各自それぞれ自由にテーブルに座っている。私もクリーム色の受け皿に柔らかいパンや熱々の鶏肉をとり、トマトやキャベツやニンジンを刻んだサラダを多めにとって、空いているテーブルに落ち着いた。
すると、隣のテーブルにいたポーティロが、紅茶のはいった白いティーカップを置き、すぐににじり寄ってきた。
「おい、あいつの話、聞いたか」
小声が振った方向には、レインと日本人が隣同士で座っていた。
「あいつが、スポンサーの後押しで、このクラブに入団したって話は本当か」
押し殺した声で囁いてきた。私は二人の背中に視線を投げて、ちらりとポーティロにも目をやった。右サイドバックを守るディフェンダーの彼は、二年前にノーザンプールへやって来た。それまでは、小さなクラブを転々とまわってきたのである。
「クラブが日本企業とスポンサー契約を交わしたんだろう? その時に、日本人を一人チームに入れる契約を結んだそうだ。実力は関係なしにな」
私はテーブルに置いた昼食を見ながら、ゆっくりと考えをめぐらした。昨日の自主練習にポーティロはいなかったはずだ。
「彼は、日本を代表するストライカーだそうだよ」
バーン監督から教えられたことを、そのまま伝えた。
「実力がないとは言えない。それにとても幸運だったんだ」
「そうだな、宝くじにでも当たったようなものなんだろうな。羨ましいぜ」
このリーズ育ちのディフェンダーが、赤と白のユニフォームに袖をとおすのにかかった年月は、およそ八年だ。
「あのジャパニーズが入って、ピエールが売られていった。まったく、いい買い物をしたものさ、うちのクラブも」
ポーティロは投げつけるように言って、私を見た。ロンドンの空模様にも似た灰色の瞳が、抉るように私を見据えてくる。
「その話は誰に聞いたんだい?」
「ギルだ。だけど、みんな噂しあっているぜ」
まるでウィルスが散らばっているかのように聞こえた。
私はパンを千切って、口にいれた。窓際にいる二人の若者たちは、仲良さそうだった。互いに顔を向けあい、笑いあっている。特にレインが手振り身振りを交えて、積極的に話しかけている様子だ。
「やってられないぜ」
ポーティロはそう吐き捨てると、私から離れた。椅子に座りなおし、心を静めようとするかのようにティーカップに口をつける。
ポーティロの苛立ちは、私にも手にとるようにわかった。だが今私にできるのは、目の前の食事を食べ終えることだけだ。
一時間はあっというまに終了し、午後からはピッチ上でミニゲームをすることになった。
バーン監督の指示に従って、我々は二つのチームに分かれた。赤いユニフォームのチームと白いユニフォームのチームである。私は白になった。
主審はランドンコーチである。試合開始の笛が高々と吹かれた。
私は前方からパスされたボールを足でとめた。ピッチ上の芝生はいい状態である。
ボールを蹴って走った。敵味方に分かれたチームメイトたちの動きにも、気を配る。ボールを蹴るのは久しぶりだったが、ありがたいことに私の両足は感覚を忘れていなかったようだ。
左サイドを走るケリーにボールを流した。アイルランド人のケリーは、「スピード」とのあだ名に相応しい素早さで敵陣地に切り込んでいき、ゴール前付近で高くボールを蹴りあげる。その先にはゲイリーがいて、良いタイミングでヘディングシュートをしたが、ノーザンプールの番人であるキーパーのヴァレッティに防がれてしまった。
イタリア人では珍しく海を渡ったヴァレッティは、両手でボールを抱え込むと、ディフェンダーに指示を出し、スターンの足元へボールを送った。アフリカ系イングランド人であるスターンは、豹が獲物を追いかけるようにドリブルをする。中盤にはミッドフィルダーのヒューズがいて、スターンからパスを受けると、同じポジションのバートンともども我々のゴールを狙ってきた。
私も黙ってはいられない。相手チームのフォワード二人は、ゴール前でうろついている。一人はレインだ。ヒューズはボールを蹴ったが、キャプテンのエヴァレットが見事にボールを奪い、右サイドハーフにいた選手へ繋げた。新しくチームに加入した選手だ。ブラジル出身のミッドフィルダーである。タンバリンでも叩くかのように弾んだ足さばきで、キレのあるドリブルをした。彼は私の動きにも注意を払ってくれていて、中盤で走っている位置を確認すると、ボールを回してくれた。
私はそのボールをゴール前まで運んでいった。ゲイリーたちにはしっかりとガードがついている。格闘家のように構えるヴァレッティも見えた。ボールを取ろうとしたディフェダーのハッセルベイクを抜き去り、コーナー前からミドルシュートを打った。だが、ゴールポストに当たってしまった。
「惜しいな! ヴィク!」
私は額に手をやって、思わず空を仰いだ。
やはり両チームとも、バカンス帰りなので動きは鈍い。それでも監督は白いライン際に立って、両腕を組んでいる。背広を着てネクタイを締めれば、本物の学校長のようだ。
ボールは相手チームのものになり、バートンが司令塔となって、指示を出している。ケリーが自慢の速さでボールを取りにいくが、他のチームメイトとパスを繰り返し、ディフェンダー陣の隙を突いて、レインが走りこんだ。だが、ボールはゴールラインの外へと飛び出た。私が邪魔したからだ。
私と共に中盤にいるドュートルは、フランス人である。だがブルターニュ生まれのせいか、非常に頑固で融通が利かない。まるでアレクサンドル・デュマが書いた三銃士に出てくるダルタニヤンのようだ。私たちの攻撃になり、ブラジル人からボールをパスされても、周囲にはまわさず、ドリブルで切り込んでゆく。ディフェンダーのベルナルドが壁のように立ちはだかっても、それは変わらない。ピエールと一緒に、あの頭の硬いダルタニヤンとからかった記憶は楽しい想い出の一つだが、やはりボールを奪われてしまった。
奪ったのはハッセルベイクだが、そのボールをヒューズに回そうとした隙をついて、私が足を出し、ボールを横へ押し出した。そこにはゲイリーが走りこんできている。ゲイリーは力強くシュートした。
しかし、ヴァレッティが激しく反応し、ボールを胸にあてた。ボールは跳ね返り、ラースが素早く足を繰り出す。だが、ヴァレッティがカミカゼを起こし、ボールの上に覆いかぶさった。ラースはむなしく、ヴァレッティの肩を蹴っただけで終わった。
その後同じような展開がゲームを支配し、どちらも一点を取れないまま前半は終わった。
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