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くるぶし見せて

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 そういうわけで、
「反鳥、くるぶし見せて」
 話しかけやすいクラスメイトに声をかけてみる。
 反鳥ははーぁー?と間の抜けた声をあげて、私の発言を繰り返す。

「くるぶし?」
「ズボンの裾めくって足あげてみるだけでいいから。ちょっと見せてよ」

「何その変な依頼、恐いんだけど」
「いいから、一瞬見せて」

 反鳥は足を内向きにあげて、制服のズボンの裾をピッとあげてくれた。紺のクルーソックスの上に見えた内くるぶしは、宮久土先輩のものよりも大ぶりだ。

 反鳥のくるぶしは骨組みの大きさを感じさせる。宮久土先輩より背も高いし、骨も太いのだと思う。
 顔を近づけてじっと見つめていたら、
「い、息がかかるっ」
 と反鳥が慌てた声を出す。

「触っていい?」
 と聞けば、妙に顔を赤くして焦ったようにして、なんで?と聞いてきた。無理強いするつもりはない。

「いや、やっぱりいい」
「触るくらいなら」
 と返されたので、指のはらで触らせてもらう。ゴツゴツとした骨の隆起に触れてみて、ただの骨だよなぁ、と確認した。

 ――――なんで宮久土先輩のくるぶしは、あんなに目に焼き付いて離れないんだろう?

「お前、何なの。なんか恥ずかしい」
 反鳥が妙にしおらしいことを言うのがおかしかった。さんざん毎日私をからかってくるくせに。

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