ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

KUMANOMORI(くまのもり)

文字の大きさ
26 / 193
つかめない先輩

1

しおりを挟む
 目の前にある色艶のいいくるぶしを見て、ごくりと唾を飲み込む。
 しなやかな腱と骨のふくらみに、じゅるりとよだれが出そうになった。

 宮久土先輩の部活が終わるのを待って、一緒に帰る。宮久土先輩は私の訳の分からない言葉を真面目に受け取ってくれたらしい。

 連れ立って帰る途中で宮久土先輩は不意に立ち止まる。足を内側に曲げた状態で、先輩は足首を持ちあげて見せてくれたのだ。

 ピッとスポーツウェアの裾をめくり、出てきたくるぶしはあまりに眩い。ほどよく日焼けした足首は健康美の妙だと思う。

「噛む?部室でシャワー浴びてきたよ」
 何気なく聞かれて、ずうっと頭が冷静さを取り戻していく。
 宮久土先輩は陸上部の期待の星だ。その足は宮久土先輩の宝物にも等しいと思う。

「か、噛めません」
「なんで?」
「そのくるぶしは才能と資産の結晶!傷つけたら、宮久土先輩の損失だし、うちの学校の損失だし!」
「そうなの?」

「痛めたら大変なことになります!」
「そんな大袈裟だよ」
 随分と鷹揚だと思う。身体が資本のスポーツマンとは思えない。

「噛んで足を痛めたら、私は各方面から非難ごうごうだと思います。下手したら暗殺されるかも」
「そしたら、齧れないよ?」
 スポーツウェアの裾を元に戻して、宮久土先輩は不思議そうな顔をする。齧りたいんじゃないの?と。

「走っているときのアキレス腱のしなりを含めて魅力的なんです!痛めて動けなくなったら、困ります」
「芦野さんが困るの?」
「困ります!オフシーズンになるまでは、噛んじゃダメだと思います」
「オフシーズン?いつなのそれ」

 え、と喉の奥から声が出た。大会の予定がなくて空いているときです、と言ったら、いつ?と返ってくる。
「分からないんですか?」
「うん、いつ?」

 ぼんやりとした発言に、私の丹田がぐにゃりと緩む感覚があった。お腹に力が入らなくなる。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...